脳震盪3 ページ24
雅サイド
すぐに救急車2台がほぼ同時に到着した。
とりあえず2人ともさっと全身状態を確認する。
目立った外傷は頭部だな。
頭部は切れると出血が多いから見た目はびっくりする。
でも本当に怖いのは頭蓋骨内での出血。とりあえずすぐにCT。
もう1人は目立った外傷はないけれど、どうやら一番下敷きになったらしく腹部の痛みを訴えている。
服をサッと捲くって見てみると大きなあざになってる。
これ多分腹腔内出血してるだろうな。
「バイタルは？」
救「現場で血圧100/78、脈85。搬送中に血圧上80台まで下がり、一旦下は測定不能になりました。今は70/46、脈110。呼びかけへの反応もほぼありません。」
「わかりますかー？」
肩を強めに叩きながら耳元で大きな声で呼びかける。
反応しない。
「病院に着きましたよー。ちょっとお腹触りますねー。」
あざになってるところを数箇所軽く押さえてみる。
オペ腹だわ。
「腹腔内出血の疑いが高いのでこのまま外科に引き取ってもらって試験開腹します。」
そういうとスタッフがすぐにストレッチャーを押してセンター内に消えて行った。
「あと救急車何台きますか？」
救「現場に数分間意識喪失していた若い女性の方がいたのでその方と、あとは意識もしっかりしてる怪我人数名です。」
「わかりました。ご苦労様です。」
救急隊員に頭を下げて俺は頭部外傷の患者さんの治療に当たることにした。
センター内に戻るとすでにCTを取り終えた患者さんがモニターに繋がれていた。
ス「頭部CTクリアです。」
「良かった。大変でしたねーエスカレーターからの転落ですか？」
患「突然のことでよける間もなく。。アイタタタ...」
「頭部の傷、今から消毒して縫合しますね。CTでは頭蓋内出血や骨折見られなかったので今のところは大丈夫です。しびれや吐き気はありますか？」
患「いえ大丈夫です。ただ頭がズキズキ痛いんですが...」
「すぐ鎮痛剤入れますね。念のため数時間は病院で安静にしててくださいね。帰宅された後もしびれ、目のかすみや吐き気など出てきたらすぐに救急に戻ってきてください。」
点滴の側管から痛み止めを注入しながら話しかける。
スタッフがすぐに縫合セットを準備してくれたので、麻酔を打とうと注射器に手を触れたとき。
「風山せんせー。風山せんせーーっ。」
俺のことだよね？翔兄いないし。顔をあげるとこっちを見て手招きしているスタッフが見えた。何だろう、まだ重症患者さんいたのかな。
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作者名：ルパン
| 作成日時：2014年7月7日 21時
