喘息(和)9 ページ21
智サイド
「おはようございまーす。朝ですよー翔、和、起きてくださ〜い。」
病院の朝は早い。まだ6時だけど一応病院のルールだからね。
翔がまだまだ寝足りないって顔でうっすら目を開けた。
和を後ろから抱きしめる形で眠ってたみたい。和は翔の腕の中で小さくなってる。
翔「ちょっとー智兄、こんなに早く起こしに来なくてもいいじゃん。」
「だめだよー病院のルールだもん。和も起こして。熱測ってよ。」
体温計を差し出す。
翔「熱はないよ昨日から。」
「あのねー入院患者さんなんだから一応、朝の検温は基本でしょ？」
翔「こんなに気持ち良さそうに寝てるのに起こすの？可哀相だよー。」
確かに和を見ると翔に包まれてスヤスヤ気持ち良さそうに眠っている。
「まあそれもそうか。じゃ和のことは翔に任せて良いの？投薬のオーダーだけ教えて。」
翔「今6時でしょ？8時にアレベール1.8ml/ベネトリン0.2mlでネブライザーして。この調子だと発作は大丈夫そうだけど、念のため、そうだなーランチ終わったら同じ用量でお願い。それで帰宅前にもう一度しておけば絶対大丈夫だと思う。もし発作出たり息苦しさ訴えるようならすぐに連絡してね。」
「わかった。ありがとうね翔。じゃもうしばらくここで寝てる？出勤までまだあるでしょ？」
9時から仕事だからまだ後2時間半は寝れそうだもんね。
普段の睡眠不足少しでも解消できれば良いけど。
翔「じゃもうちょっと寝る。ね、起こしに来てくれる、8時半くらいに。」
「良いよ。遅刻しないようにお兄ちゃんがちゃんと起こしてあげる。」
お兄ちゃんらしいことって言ったら大げさだけど弟が仕事に遅れないように朝起こしてあげるんだから、まあまんざら嘘でもない。ちっともお兄ちゃんらしいことできないからね、翔には。しっかりしすぎてて困っちゃう。
翔「じゃお休みなさーい。てか和、全然起きそうにないね。可愛い。髪がやらかくてくすぐったいの。」
そういいながら目を閉じる翔だって和に負けないくらい可愛いんだからね。
しばらくじーっと2人の寝姿を見つめていた。
するとパチっと目を開けた翔。
翔「まだいたの？なんか視線感じるなーって思ったら智兄だったんだー。もうびっくりしたよー。てか俺たちが可愛いから見惚れてたとか？ふふふ。」
そう言ってニッコリ笑ってまた目を閉じた翔。
そうだよ、可愛い弟2人にお兄ちゃんは見惚れてたんです。
今日は皆でお家に帰れると良いな。
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作者名：ルパン
| 作成日時：2014年7月7日 21時
