喘息(和)8 ページ20
和サイド
「やだやだやだぁ〜。お家帰るぅぅぅーー。連れて帰ってーー。」
翔兄が抱っこしてくれて救急から出たからてっきりお家に一緒に帰るんだと思ったら...
到着した先は消化器内科の病棟。
笑顔でナースステーションの中から手を振ってる智兄と目が合った。
智「こらこら和、大きい声出したら他の患者さんの迷惑になっちゃうでしょー。」
翔「帰宅させようか迷ったんだけどやっぱり最低でも今日と明日だけは病院にいたほうが良いかなって思って。」
「やぁーやぁーやぁーーっ！お家帰るのぉーー。」
智「しーーー。和、ほら静かにしなさい。智兄一緒にいてあげるからちょっとだけ病院にお泊りしようね。じゃないと酷くなったらもっと長い間病院にお泊りになっちゃうよ。」
長かろうか短かろうが入院が嫌なんだもん。
お家帰っても平気だもん。
「もう元気になったのー。和くん元気だもん。だからお家帰りたい...」
翔「翔兄も一緒にいてあげるからせめて今日だけは病院で寝んねしていこうよ和。お家帰ってしんどくなったら嫌でしょ？」
「ならないぃぃー。もう元気なのー。」
とか言いながらもまだ本調子じゃないんだけど。
数時間後にまたネブライザーしないと怪しいなって自分でも思ってる...
翔「だめだよー今日はお家連れて帰ってあげないよ。一緒に寝んねしようよ、ここで。智兄もいてくれるって言ってるし、ね？それでも嫌？」
翔兄も智兄も一緒にいてくれるなら..ううーーん、仕方ないか...今日だけはお泊りすることにするか。
「じゃ、今日だけね...明日は絶対やーよ。」
翔「明日、朝とお昼とゼーゼーしなかったら夕方一緒にお家帰ろうね。だから大人しくしてもくもく吸うんだよ？」
「翔兄がしてくれる？」
翔「えー俺が付きっ切りなの？和、赤ちゃんじゃないんだから自分でネブライザー持ってちゃんと深呼吸してよー。」
「ならやだもん。」
いまだに翔兄の腕の中にすっぽりおさまって抱っこされてる俺...
智「和くんは甘えん坊ですねー困ったさんだ。翔もしばらく付き合ってあげたら。和も久しぶりの喘息で甘えたいみたいだし。」
翔「仕方ないなー。じゃ今日は一緒に寝んねして、明日の朝もくもく手伝ってあげるね。でも翔兄お仕事行かなくちゃいけないからその間は1人で大人しく待っててくれる？」
「うん。ちゃんと迎えにきてよ、一緒にお家だから。」
ギューッと抱きつくと翔兄もギューってしてくれた。
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作者名：ルパン
| 作成日時：2014年7月7日 21時
