喘息(和)7 ページ19
翔サイド
「おめめ覚めた和？ぜぇぜぇ落ち着いて良かったね。」
さすがに抱っこしたままだと重たくなってきたのでベッドに寝かせてしばらく様子を見ていた。スースーと寝息が聞こえてきたのでTシャツを少しだけ捲くって聴診器を当てていると目を覚ましたみたいだ。
「動かないでねじっとしててね。もしもししてるからねー。ちょっとコロンしてそっち向いて背中見せてくれる？」
肩のあたりをトントンしながら声をかけるけど俺の目をじーっと見つめてくる和。
えーっと、背中でも呼吸音聞いておきたいんですけど...
「ほらすぐだからコロンってして。」
チェストピースを持ちながらもう一度声をかけてみる。
和「...んー。くぅ〜んーっ。」
両手を差し出してくる。はいはい、いつものあれね、抱っこね。
仕方ないなぁ。久しぶりの発作で体力も奪われちゃっただろうし、それになんと言っても和、可愛すぎる。
「わかったわかった。抱っこするのね。じゃぁ、はい、ここおいで。」
いったん聴診器を首にかけて両手を広げると嬉しそうな顔をして引っ付いてきた。
ふふふ。和の柔らかい髪が顎に触れてくすぐったい。
このまま向かい合わせで俺がベッドに腰掛けたら背中まで手回るかな。
ちょっと聴診しにくい体勢になっちゃうけど。
和「お家かえるぅ。」
いやー俺としてはせめて今夜と明日一日は病院にいて欲しいんだけど...
まさか入院になるなんて思ってないだろうからなんて切り出したら良いかな。
「背中もしもししようねー。ほら、もうちょっとしっかり翔兄に抱きついてくれる？」
そういうとギューーーっと身体を密着させてきた。
「Tシャツ上まで捲くり上げられる？そうそう、ちょっとの間持っててね。」
素直に背中を露出させたので和の可愛いすべすべの背中に聴診器を当てる。
「吸ってーー吐いてーー。口で大きく深呼吸だよー。」
呼吸のたびに和の身体が動く。頑張って深呼吸してるんだねー素直で可愛い和くん。
でも、残念ながらピューピューって聴診器を通して聞こえてくる。
この分だとまた数時間後にネブライザーしないと発作起こしちゃうだろうな。
呼吸音すっきりしてたら一緒にお家連れて帰っても良いかなぁって思ってたけど...
やっぱり入院させちゃおう。あとから辛い思いさせても可哀相だしね。
「はーい、ありがとう和。まだちょっとピューピューしてるから後からまたネブライザーしようね。今は苦しくない？喉も狭くなってる感じしない？」
和「おうち...」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 677人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルパン
| 作成日時：2014年7月7日 21時
