マイコプラズマ肺炎3 ページ25
和サイド
薬剤師さんも、もう少しちゃんと症状聞いて薬渡してやってくれたらいいのに。
あれだと、総合感冒薬だよ。
乾いた咳だって言う人に去痰剤入った薬売るか？
まあどっちにしても、普通の風邪じゃないだろうね、ここまで長引く咳ってことは。
Aは喘息持ちだけど、ヒューヒューいってる感じではなかったから
このまま自然に治まってくれるといいけどな。
聴診器を手に持ってリビングに戻ると、
Aはソファに座って、その隣に雅が腰掛けて熱を測っていた。
「どう？熱ある？」
雅「37.3度。微熱だね。」
「A、咳が出始めたのはいつか覚えてる？
咳以外に喉が痛かったり、鼻水が出たりとかはあった？
あとだるかったりとか」
A「咳出始めたのは、3週間くらい前から。
最初は喉が痛くてくしゃみもでてたけど、今は咳だけ残ってる。」
「3週間も前からだったの？よくまあ、それだけ長い間黙ってたね。
じゃちょっと喉見せてよ。はい、口あけて、あーんって言って」
いつもならちょっと嫌がるのに、黙ってたことに罪悪感なのか
素直に口をあけるA。
「喉は赤くなってないし、扁桃腺も腫れてないね。」
そう言いながら、首のリンパ腺に沿って指を動かし触診したけど、腫れてない。
「じゃ肺の音聴くから、ゆっくり深呼吸してよ。
吸ってー吐いてー。そうそう、そのまま続けてねー。」
肺の全体を聴診できる背中から右、左、上から下と
ゆっくり聴診を進めていく。
ゼロゼロした痰の絡んだ音も聞こえないし、喘鳴もないね。
それから今度は胸部の聴診に移った。
雅がAの服のすそを少し持ち上げてくれて聴診器を入れやすい隙間を作ってくれた。
「はーい、もうちょっと深呼吸続けてくれる？
スーハー、スーハー。はい、いいよ。」
雅「どう？」
「肺は全体にクリアだね。ゼロゼロしてないし喘鳴も聴取できない。
でも、これだけ咳続くってことは、ウイルス性じゃなくて細菌性の可能性高いよ。
熱も微熱とはいえあるわけだし。
明日、俺が出勤するときに一緒に病院に連れて行って
採血と胸部レントゲンだけしておくよ。
わかった？A」
最後の言葉はAに向かって言った。
素直にうなづくA。ちょっとは反省して今度からは早めに相談してよ、全く。
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作成日時：2013年6月4日 3時
