兄達はスーパードクターズ2 (ページ11)

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胃痛(翔)5 ページ11

智サイド

ちょっと診察しようか、というと消化不良だから平気だと拒否する翔。

ここしばらく弟たちが次々と消化管疾患で苦しむ姿を見てきたから
ちゃんと診察しておきたい。

横向きの翔の身体を仰向けにして診察しやすい体位にする。

「胃の辺りが痛いの？張ってる感じがするの？
軽く押さえるだけだから大丈夫だよー。リラックスしててよー。」

そう言いながら、右手でみぞおちの辺りを触る。
お、これは張ってるな。
一度に大量に胃の中に食べ物が入って消化が追いつかないんだろうな。

翔「あんまり強く押さないで。胃パンパンだから、逆流する。」

「ごめん、ごめん。本当に食べ過ぎたんだね。しかも早食いしたでしょ？
消化が全然追いついてないよ。
早く消化させるために胃酸が大量にでるからそれで胃が痛むんだよ。」

わかってます、という顔をしている翔。

「吐き気は今あるの？吐けそうだったら吐いたほうが楽になると思うけど。
出そうにないなら無理に出さないほうが良いよ。」

吐き気はなく、胃もたれと胃痛がするらしい。

「胃薬飲んでおく？
あとH2ブロッカーも一緒に服用したら酸の出すぎを抑えられるから
胃痛ましになると思うけど。どうする？」

早く楽になって仕事に戻らなくちゃいけないということだから、処方することにした。

近くにいたドクターに声をかけて、薬をもらう。

「はい、これ飲んで、あと2,30分は横になってること。
それから、あとで温めた牛乳飲むように、胃粘膜の保護になるから。
数日間は消化に良いものをゆっくり食べること。
いいね？」

翔「はい、わかりました。ありがとね、智兄。わざわざ来てくれて。
顔見ただけでちょっと楽になったよ。」

翔ったらかわいいこと言うじゃないか。
そりゃ大事な弟が苦しんでるんだもん、助けてあげたいよ僕は。

「じゃ、外来戻るね。
もしひどくなるようだったらいつでも遠慮なく電話ちょうだいよ」

その後、翔から連絡はなくそのまま無事に当直も終え
翌朝元気よく帰宅してきた姿を見て僕は安心した。