兄達はスーパードクターズ2 (ページ49)

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過多月経2 ページ49

潤サイド

患者さんの処置に入っているとき、翔兄から院内PHSに連絡がきた。
病院ロビーでAがショック状態に近いと聞かされたとき、
心臓が止まるかと思った。

とにかく今目の前の患者さんの処置を終えて、
すぐに駆けつけなくちゃ。落ち着け、俺。

救急センターまで全力で走った。

Aは点滴につながれており、青白い顔をして目を閉じベッドに寝かされていた。

翔兄によると、急激な多量の出血でプレショックに陥りかけ、
今は止血剤と鉄剤の点滴をおとしているとのこと。

「下血ってやっぱり生理のほうだよね？」

翔「うん、本人に確かに確認した。ずーっと病院ロビーで座ってたみたい。
もうちょっと早く気づいてあげてたら、ここまでひどくならなかったと思うけど。
何か連絡もらってたの？今日、病院来るとか、生理がひどいとか？」

「いや、何も聞いてない。まあ生理中に不機嫌になること多いから、
昨日もまあ今生理中なんだろうなーくらいにしか。
痛みや量の多さのことは何も。」

Aの兄であり、婦人科専門医の俺はちょっと情けなかった。

大学1年生になったからもう大人みたいなものだと思ってたけど、
去年までは高校生であったわけで。

まだ女性の機能関連は不安定なことも多いし、
もっと気にかけてこちらから声をかけてあげてたら、未然に防げたかもしれないのに。

翔「潤のせいじゃないよ。このくらいの年齢の女の子は、
まだまだ生殖器関連で不安定なことも多い。
身体も心もグングン成長するけど、そのバランスだって悪いし。
大事なのは基礎疾患がないか、ちゃんと調べてあげることだよ。
今、見た目の状態はまだ悪いけど、すぐ点滴のおかげで血色も良くなってくるから、な。
目が覚めたら、ちゃんと話聞いて、今後どうやって対応していくか決めなさい。
わかったか。」

翔兄は俺がちょっと落ち込んでることに気づいたのか優しい言葉をかけてくれた。
そうだな、大事なのはこの大量の出血となった疾患がないか確かめることだ。
ちゃんとAと話して、毎月様子見ていくようにしよう。

しばらくすると、血色も良くなり血圧もだいぶ戻ってきた。
とりあえず出血はコントロールできたみたいだな。これでまずは一安心。

目を覚ますまで、ここにいよう。
気がついたときに一番に声をかけてあげるのが俺になれるように。