兄達と彼はスーパードクターズ2 (ページ26)

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喘息(和)9 ページ26

和サイド

息が苦しいのに話したり動いたりしたせいでさっきよりも余計にしんどくなっちゃった。
車の中でもずっと翔兄が背中をさすってくれている。

さっきまではあんなに病院に行きたくないって思っていたけど、
今は早く着いて欲しいと願うばかりだ。

体力もほとんど残ってなくて少しでも寝たいなーと思うのに、息苦しさと咳で眠ることができない。

車が停止した。病院に着いたのかなーと思うと、潤が外からドアを開けた。

翔「病院ついたよ。ちゃんとつかまっててね。」

と翔兄が車から降りて早足で救急センターに向かっているみたいだ。
自動ドアが開いて中に入ると待合にたくさんの人がいる気配がする。

とにかくこの気管支が狭くなってるのをどうにか広げて欲しい。

翔「和、もう大丈夫だからね。ネブライザーしてボスミン打つよ。点滴にもお薬追加してあげるね、これでようやく呼吸楽になると思うから。もうちょっとだけ頑張ってよー。」

と受付もせずに処置室まで俺をだっこしたまま入っていく翔兄。
潤が隣で点滴を持ちながら着いてきている。

こんな姿見られたらまた救急のスタッフに俺が病弱な弟だと思われるじゃないか、と思いながらも
自力で歩くのは絶対無理だから抱っこされたままでいる。

ベッドに座らせられるとスタッフが来て、喘息の発作ですか？と聞いている。

翔「夕方からね。ステロイド経口投与して少しは治まったんだけどぶり返しちゃった。吸入薬スペーサーで投与して点滴にアミノフィリン入れたんだけと改善しない。ネブライザーの準備して、あとボスミン持ってきてくれる？それからモニターつないで。」

とてきぱき指示を出す翔兄は格好良い。潤が隣に腰をかけてもう大丈夫だからねーと言いながら背中をさすり続けてくれている。

あっという間にモニターにつながれ薬も投与されて、ようやくまともに呼吸ができるようになってきた。

潤「落ち着いた？やっと酸素行き渡ってる感じだね、和兄。長い時間苦しかったもんねー。」

翔「ほんと、だいぶ呼吸楽でしょ？救外に来て正解だったでしょ？ちゃんと俺が治してあげるって約束したもんなー。胸の音だいぶ綺麗になってるかなーちょっと聞いてみるね。」

と翔兄の聴診器を持った手がTシャツの下から入ってくる。胸のあちこちに聴診器が当てられその度に翔兄の指も肌に触れる。