兄達と彼はスーパードクターズ2 (ページ25)

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喘息(和)8 ページ25

翔サイド

和を胡座の上で向かい合うように抱っこしてるので、潤に聴診器で呼吸音を聞いてもらうことに。

すぐ目の前でスーハーと頑張って深呼吸する和からヒュー、ヒューと聞こえてくる。
おそらく喘鳴クリアになってないだろうな。

気管支が狭窄して苦しそうな息づかいの間にはゼロゼロ痰が絡んでそうな咳をする。
その度に体が大きく揺れる。
背中さすってやると、フーと少しは落ち着く和。

潤「だめだね。あんまりクリアになってないわ。まあ見るからにまだ辛そうだし。」

丁寧に聴診していた潤が聴診器を外しながら言った。

もうこのまま抱っこして病院行こうかな。

「潤、車出して。今から救急連れて行くわ。」

と言って、せーのと和を抱っこしたまま立ち上がる。潤に点滴を持ってもらって、聴診器と吸入薬を掴んで玄関に向かう。

和「ヤダ。行かない。お家いる。ゲホゲホ。」

と腕の中で暴れる和。

「ちょっと大人しくしてなさいよ。落ちちゃうよ。ほらちゃんとつかまってなさい、和。ね、咳まだでるでしょ？病院行かないといつまでも苦しいままだよ。」

和「翔兄お医者さんなのに治してくれない。」

「治してあげるよ、病院でね。俺、救急医だから救急センター行かなくちゃ、和のこと治してあげられないや。」

と言いながら車に乗り込む。それでも、ヤダヤダと言いながら咳き込む和。

「ほらほら、もうしゃべらないの。さっきみたいにまた息できなくなっちゃうよー。」

背中を擦りながら和のことを落ち着かせようとする。
話したせいか、呼吸も浅く乱れて、ヒューヒューと聞こえる。

ちょっともう一度呼吸音確認しておいたほうがいいかなと思い、聴診器を耳にはめて
和のTシャツを捲り上げて背中に手を回す。聴診器を通して呼吸に合わせてヒューヒュー、咳に混じってゼーゼーと聞こえてくる。

「和、しんどいなー。だいぶゼロゼロしてるよ。どうしたんだろうねー。こんなにひどいの久しぶりじゃない？」

と聴診器を外して横に置き、和を抱き寄せて背中を撫でてやる。
とりあえず到着したらすぐにネブライザーしてボスミン打とうかな。
それで落ち着くといいけど。

だんだん体力がなくなってきたのか、ぐったりとして俺の肩に頭を乗っけてる和。
それでも呼吸に合わせてヒューヒューと言っている。