兄達と彼はスーパードクターズ2 (ページ16)

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風邪(翔)6 ページ16

翔サイド

薬が効いたおかげで咳が止まって、張り切りすぎたのかまたしんどくなってきた。

山下に休まないとドクターストップで帰宅させるとまで言われてしまい、とりあえず空きベッドで寝ることにした。
白衣脱ぐのも靴脱ぐのも面倒くさくてそのままドサっとベッドに飛び乗った。

でも横なるとやっぱり体は正直なのかすぐに眠気がやってきてそのまま眠りについた。

しばらくすると、咳で目が覚めてしまった。腕時計を見ると1時間半も寝ていたようだ。うわー勤務中に俺こんなにも寝てたの？やっべーと思いながらもゴホゴホと咳き込む。

山「起きましたー？っていうか咳で目がさめちゃいましたか？」

とカーテンを開けて山下が入ってきた。

山「白衣も靴も履いたまま？どうせ寝るならもう少し体が休まりそうな格好で寝てくださいよー。」

呆れたような声で言い、首にかけてある聴診器を手に取りながら、ちょっと呼吸音だけ聞いておきますねと近づいてきた。

「いいよ、いいよ。もう十分寝たし寝起きでちょっと咳出ただけだからさ。吸入薬もあるからさ。いいって、いいってー。」

と言ってベッドから起き上がり仕事に戻ろうとすると、

山「ちょっと先輩待ってくださいよ。俺が主治医なんですから。和さんに頼まれたんですよ。言うこと聞かなかったら俺呼んでね、て言ってましたから和さん呼びましょうか？」

それは困ると思い大人しくもう一度ベッドに座る。

「なんで和が知ってるの？お前が連絡したのか？」

山「違いますよ。和さんからさっき連絡が来たんです。翔兄の様子見ておいてねって。心配してましたよ。無理すると、せっかく最近出てない喘息の発作出ちゃうかもしれないから気をつけておいてって。とりあえず白衣くらい脱いでもらえますか？」

ああ、すまん、と言いながら白衣を脱いで横に置く。
それにしても和ってやっぱり優しいんだな。どうせ俺がいつもどおり働くことを見越して山下に連絡いれたんだろうな。

山「じゃちょっと失礼しますね。深呼吸してもらえますか？苦しくなったら楽に呼吸してくれて構わないので。」

と言いながら胸部聴診を進める山下。深呼吸すると気管支が刺激されるのか咳が立て続けに出てしまう。やっぱり喘息なのかなーと思っていると、

山「呼吸音、怪しいですね。喘鳴聞こえますよ。さっき和さんは注意して聞いたけど呼吸音はクリアって言ってましたけど、今はちょこちょこ聴取できますね。ネブライザーしておきましょうか。」