兄達と彼はスーパードクターズ2 (ページ14)

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風邪(翔)4 ページ14

和サイド

風邪っぽいという翔兄は37度3分の微熱だ。
喘息持ちの人は風邪がきっかけになって発作が出ることもあるから、吸入薬しばらく続けたほうがいいね、というと、どこにやったかわからないという。

まったくのんきな人だよ、翔兄は。
でも俺に頼ってくれてるみたいで嬉しいな。
だけど発作で苦しむ翔兄を見るのは嫌だから、ちょっと厳しくしないと。

「はい服捲くって。処方箋だけで良いわけないでしょ？」

と聴診器を手にとって翔兄の前に立つ。なかなか動こうとしない翔兄。

「シャツちゃんと上まで上げてもらえる？自分でできないならさっきの可愛いナース呼んで補助に入ってもらわないとね。」

というと、慌てて自分でシャツをまくりあげる翔兄。

「最初から素直にそうしてくれてたらいいのに。手間のかかる子だね。じゃ深呼吸繰り返してね。咳でてしんどかったら無理しなくていいから。」

と声をかけて左手を翔兄の右肩にのせて右手に持ったチェストピースを胸部に当てる。ゆっくりと深呼吸を繰り返す翔兄。時々ゲホゲホと咳き込む。

「いいよ、無理しなくて。咳出たらしんどいでしょ。」

と言いながら胸部数箇所の呼吸音を聞く。
わずかな喘鳴も聞き逃さないように耳に神経を集中させる。

「今のところ大丈夫そうだけど念のため吸入はちゃんとしておいてよ。発作でるの嫌でしょ？」

翔「うん、絶対やだ。じゃ処方箋ちょうだい。」

と手を出してくる翔兄。処方箋を渡すとありがとうねーと言いながら走って救急センターに戻って行った。あーなんであの人はああなんだろうか。大人しくしてないと咳でて気管支刺激されて喘息も出やすくなるってわかんないかなー。

まあ仕方ないか。ちゃんと忘れないで吸入してくれるといいけどな。あの調子で仕事して、吸入忘れたら確実に苦しい思いをすると思うな。
でも自分からひどくなる前に受診にきたってことは自覚あるってことだろうから、翔兄のドクターとしての常識を信じようかな。