兄達と彼はスーパードクターズ2 (ページ12)

今日:9 hit、昨日:14 hit、合計:1,083,606 hit

風邪(翔)2 ページ12

和サイド

今日も混んでるなー。
呼吸器ってインフルエンザが流行る冬が一番忙しいのかと思いきや、結局年中忙しい。
案外、夏でも夏風邪って長引くことが多くて、なかなか咳止まらない人がたくさんいる。

あと数人で終わりそうだ、と思って時計を見るともうすでに午前診の終了時間を回っている。
まあ毎日のことなんだけどね。
よし、頑張ろうかな。ここまでくると患者さんも数時間待合で待ってることになるから
なんだか申し訳ない気持ちになるんだよなー。

最後の1人だーと思っていると、担当のナースのさおりちゃんが

N「先生、急なんですけどあと1人だけ診てもらえませんか？」

と少し申し訳なさそうに聞いてくる。
急患か？いやそれならこの時間ならもう救外に行くだろうし。
もしかして、さおりちゃんが具合悪くて俺に診て欲しいってことか？

確か以前、智兄の担当だった時に便秘で何度か診てあげてたよーって智兄が言ってたのを聞いたことがある。さおりちゃんなら喜んで、だよ。と勝手に頭の中でさおりちゃんということにして

「いいよ。あと1人も2人も変わらないし。しんどい思いしてる患者さんがいるなら、いつでもどうぞ。」

と言うと、ありがとうございます、と頭を下げて、最後の患者さんを呼びに行ったさおりちゃん。

最後の患者さんも診終わって、なんか自分を担当してくれてるナースを診察するのも変な感じだなーって思ってると、予想外の人が、というか期待はずれな人が診察室に入ってきた。

翔「おおごめんな、もう時間だいぶ過ぎちゃってるのに。」

「なんで翔兄がここにいるの？」

翔「いや、さっきナースの子に後1人だけ大丈夫か聞いてきてって頼んだら、和先生、快諾してくれましたよーって言ってたんだけど。」

「えー翔兄だったの？なんだー。もう、で、何よ、どうしたの？もう昼飯食べる時間なくなるから早くしてよー。」

翔「翔兄だったのってどういうこと？誰だと思ったのさ。あ、お前もしかして、あの可愛いナースの子だとでも思った？そんな訳ないだろー。誰が自分の担当してるドクターに診てもらおうと思うのさ。」

翔兄に心を読まれてしまって、なんだかとっても恥ずかしくなった俺。
しかも俺ってすぐに顔赤くなっちゃうんだもん、隠せないや。邪念を抱いた一瞬を後悔した。

翔「わー赤くなってるぞー和。お前も可愛いなー。はははは。ゲホゲホゲホ。」

笑ったかと思えば顔をしかめて咳き込む翔兄。風邪でも引いたか？