兄達と彼はスーパードクターズ2 (ページ11)

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風邪(翔)1 ページ11

翔サイド

風邪引いたな、完全に。
昨日からくしゃみが止まらないし喉も痛い。
幸いなことに咳は出てないけど、なんとなく体もだるいし肩から背中にかけても痛い。

熱でないといいけどなー。
あーまたひどくなって喘息とか嫌だなー。
やっぱり先手必勝か。今日の午前の外来診察の最終くらいに和のとこ行って診てもらおうかな。
ひどくなって、こっぴどく怒られるのだけは避けたい。
だって、和怖いんだもん。まあ心配してくれてる証拠なんだろうけど、体弱ってるときに
ズバズバと正しいことを言われると、余計に弱っちゃうから。

引き始めにちゃんと相談しておけば怒られることだってないはず。

とりあえず午前中だけ頑張ろうかなと、ロッカーで着替えながら気合を入れる。
どうか救急搬送あんまりありませんように。

フーッとため息をついていると、おはようございます、と山下が出勤してきた。

山「どうしたんですか？珍しいですね、先輩が朝からため息なんて。調子悪いんだったら早めに言ってくださいよ。いつも立てなくなるほどギリギリにならないと言わないんだから。先輩のとこの兄妹は皆忍耐強すぎるというか、堪え性というか、とりあえず重症にならないと助け求めない傾向にあるんですから。」

あ、ばれてるのね。

「おお、すまん、すまん。いやちょっと風邪気味だなーと思ってさ。くしゃみと喉痛いの。だから今日大きい声出せない。それに体の節々も少しだけど痛い。まあただの風邪だから心配いらないよー。」

山「節々が痛いって熱あるんじゃないですか？今日はなるべく大人しくしててくださいよ。仕事になるとものすごい張り切って、気がついたら悪化してるっていうパターンものすごく多いですから。」

なんかいつになく厳しいことを言う山下。でも正論だから、はい、って黙って従うしかない。だって俺仕事好きなんだもん。救急搬送されてきた患者さんを救いたいと思うと、やっぱり全力で向き合わなくちゃいけないから、どうしても自分のことは後回しになってしまうんだよな。

「大丈夫だって。午前診の終わりごろに和のところ行こうかなーってちゃんと思ってるから。」

山「本当ですね？ちゃんと行って下さいよ。Aにいつもひどくなる前に教えてーとか言ってるわりにお兄さんたちを見てると、Aはお兄さんたちに似たんだなーと思っちゃいますもん。ギリギリまで言わないところ。」

ははは、と笑うしかない俺。