兄達と彼はスーパードクターズ2 (ページ2)

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イレウス2 ページ2

山Pサイド

ふー。あと30分でシフトが終わる。
こういう時はどうか今、救急搬送ありませんように、と祈ってしまう。

外来で待ってる患者さんをとりあえず診れるだけ診て、今日はこのまま上がれますように。

翔「お前も連日ご苦労さまだなー。Aと会う時間なんて最近全然ないんじゃない？」

と長いシフトの終了間際でも爽やかな翔先輩。
一体どこにあの体力と精神力があるんだろうなーって思う。

「そうですねー。ここ最近は睡眠すらろくに取れてないですよ。でも翔先輩も同じですよね。だけど全然疲れてるように見えない。超人ですか？」

翔「ははは。面白いこというねー。いやいやめちゃくちゃ疲れてるよ。でも仕事中だけは何があっても気を張り詰めて頑張ってるだけで、ロッカーに戻った時点で完全オフ。家に帰るのもしんどい。どう、久しぶりに飲みに行かない今日？」

「あのー今日は、久しぶりにAと会うんですよ。ものすごく久しぶりに。」

翔「なーんだそうなの。まあAも楽しみに待ってるんだろうからせいぜい素敵な時間を過ごしてねー。また今度飲みに行こうな。」

これだけ働いた後に、半端ない量を飲む翔先輩。すごくお酒に強いというか疲れを紛らわすために飲んでるというか。付き合うとこっちが次の日半分死んだみたいになる。

祈りが通じたのか救急搬送もなく無事に定時で上がれたー。
奇跡だ。やっとAに会えるし、なんと言っても家でまったり過ごせるのが最高だなー。

そう思いながらロッカーで着替えていると翔先輩が入ってきた。
本当だ、ロッカーに入ってきた瞬間、ドスンと椅子に座り大きなため息をつき
あー疲れたーと言っている。まあ同じ人間てことだね。

「一緒に帰ります？今日はAの部屋に行くので、帰り道一緒ですよね。その分だと寝ちゃって電車乗り過ごすかもですよ。」

Aの部屋に行くというと突然ハッとしたように

翔「え？Aの部屋に行くの？そのまま泊まるの？え、てことは夜を一緒に過ごすの？」

とものすごい勢いで聞いてくる。
救急でどんな重症患者さんに対しても冷静で的確な処置をしている人だとは思えないほどの慌てぶり。
本当に翔先輩はAのことになると落ち着き失うんだから。

「はい今日は泊めてもらいます。なので夜を一緒に過ごすことになりますね。」

とあえて落ち着いて言うと、びっくりして口をパクパクさせて目を丸くしている。
可愛いところあるなー翔先輩。