【ブルーロック】冴くんのにゃんこ。【糸師冴】

anthurium ページ23

(冴side)(スペイン語？知りませんね)


捨て猫ですね、と猫を見て獣医は言った。


そうすか、と気のない返事をしつつ、色々と面倒な話を聞く。


本当は猫なんて飼ってる余裕ない。


けど、少しずつ元気になってきてみゃあみゃあ言っているこの子猫が途轍もなく愛おしい。


まぁ、そいつを飼う以外の選択肢なんてなくて。


色々なものを買ってそろえて、ついに家にそいつを連れてきた。


ところがそいつは何時まで経ってもケージから出てこない。


どうしたものかと覗いてみるが、まだこの家にきて数時間だ、無理に何かする方が危ない。


エサと水を入れた皿だけ近くに置いておき、しばらく様子を伺うことにした。


＊＊＊
Aを飼い始めて一週間。


だいぶこの家には(・・)慣れたようで、今はもうケージから出ているのが当たり前になった。


ただ、俺には全然なついていなくて、家に帰ってこればとても嫌そうな顔をうかべたAがいるという日常が出来上がりつつある。


「ほら、A、飯だ。」


そう言って皿を置くと、Aが手を噛んできた。痛ぇ。


噛まれた傷を手当てする俺からふいと顔をそらしエサを食べ始めるA。


だけど俺は、諦めずにAとの生活をつづけた。


＊＊＊
anthurium→アンスリウム。花言葉は「熱心」。


正しくはケージでした。申し訳ありません。

china aster→←dayflower

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す