宝物×宝物＝ part４

将来のため ページ6

シルク「一緒に住むとしてもさ、どこに住むの？」


「んー……ここ？」



そう言ってはにかみながら床を指差すと、シルクはいやいや、と手を左右に振った。



シルク「ここマンションだし、二人で住むには狭すぎるわ」


「えー？じゃあ、一軒家でも借りるの？」



私が聞いたあと、しばらくして、シルクが言った。





シルク「建てよう！」


「はぁ？」


シルク「一軒家、建てよう！」


おいおいおいおい


建てよう！じゃないよ！



「ちょっと待ってよ。私達まだ結婚とかしてないし……しかも20代前半の若造だし……第一お金あるの？」


するとシルクは満面の笑みで親指を立てた。



シルク「結婚とか関係無いし、お金だって貯めてあるに決まってんだろ！お前との将来のために」


「え、いつの間に」


シルク「こんなことわざわざ言わねぇしw」




へらへらと笑っているけれど、お金があるならまあよろしい。



それよりも、私との将来のため、という部分に少なからず喜んでいる自分がいるのは事実だった。




シルク「なぁに？すいぶん嬉しそうな顔してっけど」


「いやだって嬉しいでしょ。私との将来考えててくれたんだから」


シルク「こっちとしては当たり前だから何とも言えねーw」




ほら。


またそうやってさりげなく良い事言う。



こうして、私のハートは何度も鷲掴みにされていくんだなあ




「じゃあとりあえず、メンバーに相談だね」


シルク「まあ、俺らだけの問題じゃねーしな」



二人でフィッシャーズのグループに集合のLINEをすると、各々から返信が来た。



A話あるからシルクん家しゅーごー


シルクしゅーごー


ンダホOK。今から行くわー


ぺけたんえ〜何〜?めっちゃ気になるw


モトキなるべく急いで行く!


ダーマごめん俺無理だ


ザカオあー俺も〜ごめん


シルクじゃあ来れる奴は来たら話す。来れない奴は動画出すからそれ見るか俺から聞くか!はい以上!



シルクがそう送ったのを最後に、後は既読だけがついて会話は終わった。



皆シルクの家に向かうか、用事を済ませているのだろう。


私もシルクも特にするべき準備もないので、二人でゴロゴロしていた。

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