心配なんて ページ2
シルク「俺の、どこが良かったんだよ。お前とフィッシャーズが生き甲斐だったこんな俺の」
「わかんない。でも、シルクが入学してきた時、びびっと来たって言ってた」
シルク「なんだよ、びびっとって。」
シルクは私の手を握っていない方の手で、わしゃわしゃと頭を掻いた。
硬めのくせ毛が自由に形作られる。
「その時の衿乃さん、すごく悲しそうな顔してた。私がタクシー乗ろうとしたらさ、呼び止めて、ありがとって。あの時、なんでありがとって言ったのかな」
シルクはさあ、と知らないフリをしたけれど、その顔は何かを見いだしたかのような表情をしていた。
シルク「お前は優しすぎる」
「えっ?」
シルク「優菜の時だってそうだろ。人の事ばっか信じて。いつか痛い目見んぞ。何回も言ってっけどさ」
シルクはいつでも私の事を心配してくれて、自分の心配も少しはして欲しい。
そして、私は微笑みながら言った。
「大丈夫だよ」
シルク「だから大丈夫じゃn……」
「だってシルクがいるから」
そう言うと、シルクは口をきゅっと結び、私を見据えた。
シルク「A……」
「シルク、前言ってたよね。何かあったら、守ってくれるって」
一瞬固まったが、その後何かを決意したような顔になって、シルクは言った。
シルク「うん。言った。絶対お前を守る。何があっても、Aが一番大事」
「でしょ?だから、心配なんてこれっぽちもしてないよ」
こてん、とシルクの肩に頭を乗せて、目を閉じる。
すると、くすぐったいような、心地よいような、そんな温もりを頭に感じた。
シルク「あんま、無理すんなよ」
「はいはい」
シルク「……愛してる」
私がその日記憶にあったのは、その言葉が最後だった。
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未人(プロフ) - くるるMAさん» おおw早いw頑張ります!w (2018年1月3日 18時) (レス) id: c2cac711d1 (このIDを非表示/違反報告)
くるるMA - スマホから!早速買ってもらいました!今年も妄想と更新頑張ってください! (2018年1月3日 16時) (レス) id: cfcd9e6d3d (このIDを非表示/違反報告)
くるるMA - 前にやってたやつ的なやつか…リベンジしてみるわ。忙しいのに返信ありがと (2017年12月13日 20時) (レス) id: 8a6d8ed592 (このIDを非表示/違反報告)
未人(プロフ) - くるるMA さん» そうねぇ...やっぱRPGのパロじゃない? (2017年12月12日 19時) (レス) id: c2cac711d1 (このIDを非表示/違反報告)
くるるMA - タブレットから。久々に来たら結構更新されててびっくり。全然関係ないんだけど、私が小説を書くならどんな小説がいいと思う? (2017年12月12日 18時) (レス) id: 8a6d8ed592 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:未人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mijinnhomupe/
作成日時:2017年4月29日 20時