宝物×宝物＝ part２ (ページ30)

今日:10 hit、昨日:5 hit、合計:304,035 hit

反論に反論ページ30

シルク「A」

「なn…！」

不意に名前を呼ばれて顔を上げると、言葉を遮るように口を塞がれた。

「っは…何すんの！///」

内心では嬉しかったクセに、シルクに対する甘えからか、強気な態度を取ってしまう。

シルクはそんな私の態度に何を思うわけでもなく、一言、答えた。

シルク「嫌な気持ちにさせたから、お詫び」

シルクはぺろりとしたなめずりをし、ご馳走さまでした、と付け足す。

「な、何なの////」

シルク「んー？まだ足りない？」

ニヤニヤしながら顔を覗き込んでくるシルクを、私は手で押し返した。

「も、もう充分です！」

シルク「あははwかわいー。」

無邪気に笑う彼は、本当に楽しそうで。

私なんかと居ていいのかな、なんて思うこともしばしば。

でも、そんな事を言ったらきっと怒られるから、心にしまっておこう。

シルク「何ニヤニヤしてんの」

「え？顔に出てた？w」

シルク「がっつり。ちょっとキモかった」

「はぁ？w」

こんなことを言い合えるのも、シルクが私を信じてくれているからだろう。

そして私も、シルクを信じている。

シルク「で？何考えてたの？」

「いや、何て言うか、幸せだなあと思って」

シルク「待って、めっちゃいきなりじゃんw」

シルクは笑って誤魔化しているようだが、顔が赤い。

気付いてるんだか、気付いてないんだか。

言ってやろうとも思ったが、あとで仕返しが怖いので黙っておく。

というか、ちょっとしたことで赤面するのは私だけじゃなかったんだと、安心していた。

シルク「いや、なんか、うん」

「何さw」

シルク「その…俺も、幸せ」

あー。言わなくてよかった。

仕返し食らうとこだったよ。

という私の心は知らず、隣の奴はバカにしてくる。

シルク「あれぇー？Aちゃん顔真っ赤だよおー？」

「う、るさい！/////あんたも人の事言えてなかった！」

反論に反論して、私たちの会話は成り立っていく。

他の人から見たらきっと、喧嘩に見えるんだろうなw

私は赤く染まった顔を腕で隠しながら、すっかり暗くなった道を歩いた。