宝物×宝物＝ part２ (ページ14)

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元気出るページ14

ようやく泣き止んだ私は、泣いて火照った身体を冷まそうと、ベランダに出た。

「はぁ…」

小さくついたため息は、東京の夜空に白くなって消えた。

一人哀愁を漂わせていると、視線を斜め下に向けた時、見覚えのある人影が目に入った。

「ンダホだ」

呟いた声は意外と大きかったらしく、ンダホがキョロキョロと周りを見渡す。

こちらを向いたところで大きく手を振ると、笑顔で振り返してくれた。

なんだか相談に乗って欲しくて、話を聞いて欲しくて

私はエレベーターを使わず、階段を駆け下りた。

「ンダホッ」

ンダホ「こんな夜中に外で会うなんて珍しいよねw」

「なんでここにいるの？」

ンダホ「ランニングしてみよっかなーなんてw」

恥ずかしそうにはにかむ彼は、心なしか少し汗ばんでいるようにも見える。

「でも、ンダホ痩せちゃったらフィッシャーズにゆるキャラいなくなっちゃうじゃんw」

ンダホ「そろそろ俺も痩せたいの！モテたいし」

「モテたいとかw」

ンダホのおかげで元気が出た。

それでもやっぱり、悲しみは拭えない。

ンダホ「…で、どうしたの？何かあった？」

そんな私の心を察してか、ンダホが声音を変える。

「っあ…えっとぉ…家、上がって？相談したい」

家、と言うと、ンダホが少し動揺したが、そんな下心のようなものは今はさらさらないのだ。

ンダホ「わかった。俺でよければなんでも聞くよ」

二人でマンションの階段へと向かう。

ンダホ「エレベーター使おう？」

「ダメ、痩せるんでしょ」

ンダホはええーと言いつつも、私より前を上がっていく。

まぁ、途中で楽々抜かされてしまうのだが。

慌てて降りてきたので鍵をかけ忘れていた。

ンダホには、「女の子なんだからもう少し用心しないとだめでしょ」と優しく叱られた。

はあい、と返事をして、二人で私の家に上がる。