宝物×宝物＝ part２ (ページ33)

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シルクside　ふざけんなページ33

家に帰ってから40分ほど経った頃。

俺のiPhoneが陽気な着信音を奏でた。

ちょうど焼きそば(インスタント)を食べようと思っていたところだったので、少しイラッと来たが、一応出る。

シルク「はい」

優菜『あ、出た』

電話の主は、優菜だった。

シルク「何？どした？」

優菜『…相談があんねん。』

いきなり改まってどうしたと言うのだろう？

疑問を抱えつつも、耳を傾ける。

優菜『実はな、こんぺいちゃんが…』

シルク「おう」

焼きそばをズルズルとすすりながら答える。

優菜『こんぺいちゃんが…シルクと別れたいて。』

予想外な言葉に、俺は勢いよくむせた。

シルク「ゴホッ、ゴフッ…は？お前マジで言ってんの？」

優菜『うちは嘘でこんなこと言わんやろ』

一度むせたらしばらく止まらなくて、時々コホ、と出てくる。

まぁ確かに、こいつは言って良いことと悪いことはちゃんと弁えてるからな

シルク「なんで？いつ言ってきたん？てかお前らそんな仲良かったっけ？」

心の奥に眠っている怒りが見え隠れして、ついつい質問責めになる。

優菜『ちゃうねん。うちが話したい思うたから電話したらこんぺいちゃん泣いてたんやて。10分くらい前。』

シルク「だからなんで？なんであいつは俺と別れたいの？理由は？」

優菜『…シルクのこと嫌いやて、』

聞かなければ良かった。

反射的にそう思った。

なんなんだよ。

あの時、可愛い顔して恥ずかしがってたくせに。

自分から「好きだ」って言ってきたくせに。

はい実は俺の事嫌いでした

ずっと我慢してました

ふざけんな

シルク「ふざけんな」

優菜『そないなこと言うても、うちのせいやあらへんもん』

わかってんだよ。

優菜に言ったって何も変わらないことくらい。

っああ、もう

この腹立たしさはなんなんだ。

俺は誰に怒ってる？

俺の事が嫌いなのに我慢してたAか？

それともわざわざ知らせた優菜か？

あるいは、何もできない俺か？

シルク「悪い、もう切っていい？」

優菜『あぁ…忙しいときに堪忍な』

ほなな、と言って、優菜は電話を切った。

プー、プー、という音を聞き流しながら、俺はただただ画面を見つめた。

いつのまにか、焼きそばはすっかり冷めていた。