宝物×宝物＝

寝不足で。 ページ40

翌日。


私は悩むことを放棄し、昨晩は現実逃避に走っていた。



夜中の３時までは記憶がある。


きっとそれからは寝たのだろう。


目の下にクマを作ってリビングへ向かうと、ソファに身を預けた。



「……ねむい」



気を抜いたら秒で寝れそうだったが、なんとか目を開く。




私がここまで起きようとしているのは、昨晩、シルクからある内容のLINEが入ったからだ。




「話があるって……」




話なんてたかが知れてる。


どうせ昨日の事だ。



何度も何度も思ったことだが、改めて頭から引っ張り出してくると気が重かった。




「行くかな…」




動こうとしない体を拷問の如く無理矢理動かし、長い長い３分を歩く。





やがてシルクの家の前に着いたが、私の指はインターホンのボタンに触れたまま、力を入れようとしなかった。




「……帰ろうかな」



そう呟いた時だった。





ンダホ「あれ、A？」



声をかけられ、驚いて振り向くと、そこにはコンビニの袋を持ったンダホが立っていた。



ンダホ「みんなもう家にいるよ。入んな？」




微笑みながら言うンダホ。


ンダホがいるなら、なんだか私も入れるような気がした。



「…うん」



どうやら鍵は開いていたらしく、ンダホが遠慮なくドアを開けて入っていく。



私もその後ろをひっそりとついていくと、他のメンバーがそれぞれ好きなことをしていた。



モトキ「あ、ンダホおかえり。Aいらっしゃーい」



いつもと変わらずにこやかな笑顔で出迎えてくれるモトキ。



スマブラプレイ中のテレビを見ると、１点差でモトキがダーマに勝利していた。



モトキ「あれから悔しくて猛練習してさぁ、２０回やってやっと勝てたよ〜」



大変だったぁ〜、とため息をつく彼に、私は思わず笑みをこぼした。



「２０回って…やりすぎ。」



ダーマ「そうだモトキぃ。そりゃ２０回もやったら勝てるだろ」



モトキ「いやでも勝ちは勝ちだからね？」



私が目を離した後も、二人は勝ったズルいと言い合いを続けていた。









そして、一番気にかかっていた人物に視線をずらす。

未人からのコメント３→←シルクside〜気付いた〜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す