Flight LOVE【R.Y】

第37便 ページ37

山田side






久しぶりの休みがもらえた。



何しようかなーなんて考えていたら、ふと大内さんの事が頭をよぎった。








飛行機に乗ったら、大内さんに会える気がした。





迷わず支度をして、行先はテキトーに大阪にでもしよう。


ネットで取れる航空券を買い、家を出た。






少し冷たい風が俺の体を撫でて過ぎ去った。









・









・









飛行機に乗ったのはいいけど、大内さんには会えなかった。



このまま帰るのはもったいないので、仕方なく少し大阪をまわって、
またすぐに東京へ戻るための航空券を買った。









帰りの飛行機で、眠りについていると、赤ちゃんの泣き声がした。




可愛いなぁ。男の子？女の子？

いや、この声は男の子か？





「おい！うっせーよ！」


中年のおじさんが怒鳴る声がした。



「すっ、すみません！」



……まさか、赤ちゃんが泣いてることに対して怒鳴ってんのか…？



「ったく、寝かけてたところなのによー。ふざけんなよ！」

「すみません！すみません！」




は？何考えてんだ。コイツ







「失礼致します。お客様、落ち着いてください。」


この、声……



「落ち着けもなんもねーだろ！
ったく、なんなんだよ。母親のくせに泣き止ませられないダメ親だわ、
加害者の味方するクソしーえーだしよー。ふざけんな！」


「失礼ですがお客さ、「あの、うるさいんですけど。」




気がついたら、体が動いていた。



「山田、くん。」



ああ、俺の感も捨てたもんじゃないな。

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