Flight LOVE【R.Y】

第31便 ページ31

「みなさま、こちらの便は、まもなく離陸いたします。
今いちど、シートベルトのご確認をお願いいたします。
シートベルトの着用方法につきましては、お座席前にございます、
シートベルト着用方をご覧下さい。」


あの日から、かれこれ約半年がたった。



もちろん、その後山田くんとは何にもない。




この仕事も、もう手馴れたものだな。





「じゃあ、涼花ちゃん交代！よろしくね？」

「はい！大内さん！」


後輩までできちゃって、なんだか変な感じ。




「空の旅に、お菓子・お酒・お弁当、いかがでしょうか。」


このワゴンの仕事も、飽きてきたなー。

いや、そんなこと言っちゃダメだけど。




「うっ、あぁ。……ふぇええええええ！」



どこかで赤ちゃんが泣いてる！？


「あー、ごめんねー？大丈夫だよー？よしよし」

「ふえぇああ！」



やー！どうしよ。こうゆうことがあるよって聞いたことはあったけど、実際に出くわしたことはなかった。


「おい！うっせーよ！」

「すっ、すみません！」

「ったく、寝かけてたところなのによー。ふざけんなよ！」

「すみません！すみません！」


あっ、どうしよ。声掛けなきゃだよね





「失礼致します。お客様、落ち着いてください。」

「落ち着けもなんもねーだろ！
ったく、なんなんだよ。母親のくせに泣き止ませられないダメ親だわ、
加害者の味方するクソしーえーだしよー。ふざけんな！」



え、待って今のは普通にムカついたんですけど。


「失礼ですがお客さ、「あの、うるさいんですけど。」

私の言葉を遮ってかるその落ち着いた低音ボイスは、間違いない。









「山田、くん。」

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