5.Plan ページ8
3人で全速力で走っていたが、門からある程度離れた所でエマが転んだ。
「ここは……農園？ 私たちは……食料？ ううん、違う。みんなは里子に行ったんだよね……？ ママは……優しいママだよね？ あの子は、コニーじゃなかったよね！？」
「…………あれは、コニーだった」
そして、エマは声を上げて泣いた。
『エマ……』
「逃げよう、エマ。ここを出るんだ。大丈夫、きっと逃げられる。4人なら──」
「みんなと、逃げるのは、無理なのかな……。これ以上家族が死ぬのは嫌だ。置いてけないよ……！」
ノーマンが私も一緒に逃げようと言ったことに少し驚いたけど、逆にこの場にいる私を含めない方が変か。
「……うん、大丈夫」
『じゃあ、逃げよう。みんなで一緒に』
このまま行けば、ノーマン以外の全員で逃げることが出来るのを、私は知っている。でも、私がノーマンを生かそうと行動して、何かが変わってしまうかもしれない。それでも…………。
「僕たちが門へ行ったこと、顔に出せばママは気付く。だから、まだ誰にも言わないでおこう。僕たちだけで、ここから抜け出す方法を見つけるんだ！」
*****
翌日の自由時間。私たち3人は、脱獄のための作戦会議第1回目を行っていた。
「……美味しい餌、汚れの目立つ白い服。規則正しい生活。全部私たちの商品としての品質を保つため。私たちは、ただ無差別に出荷されて行くのを待つだけ……」
「無差別じゃない。鬼が言ってたろ？ 6歳は並だって。今まで出荷されたのは、6歳から12歳だ」
『じゃあ、1番良いのは12歳って事？』
「でも、
「今まで、
『いつも
「そうか、脳」
「脳？」
「脳は、12歳までに完全に発達すると言われてるんだ。Aはまだ10歳だから……」
そして、エマとノーマンは着々と真実を推理して行った。鬼から聞いた情報は、6歳が並ということと、
Plan ―作戦―
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作者名：時雨 | 作成日時：2022年6月22日 22時
