1.Episode 1 ページ4
時が過ぎるのは、遅いようで早い。気がつけばエマ達は11歳になり、ついに明日は、原作の話が始まる日──コニーの出荷の日だ。そして、エマとノーマンがハウスの秘密を知る日でもある。
朝から元気な、小さい子たちの面倒も一緒に見ながら準備を済ませ、食堂へ行った。そこには既に朝食の準備を始めていたノーマンとレイがいて、ノーマンにはもう部屋で挨拶していたので、レイの元へ挨拶しに行く。
『おはよー、レイ』
「おはよ」
しばらくすると、エマがフィルと一緒に食堂へ入ってきた。
「ほっはよー！ ノーマン、レイ、A！」
「おはよう、エマ」
『おはよー！』
「
フィルに頬をつままれているせいで発音が変だったエマを、レイがからかった。
「元気だねぇ、まだ朝ごはん前なのに」
「お前、歳いくつだ？ 5歳？」
「2人と同じ11歳！ Aより歳上の最年長ですけど！？」
「まだAの方がマシだな」
『……それ、エマが5歳で私が6歳とかって話じゃないよね？』
そんなやり取りをしていると、ちょうど来たママがクスッと笑った。
「ママー、もっかい入ってくるところからやりなおす！」
多分、そういう発言が5歳って言われるんじゃないかな()
「どうして？ 私は好きよ、エマのそういうところ」
「中身5歳のところ！？」
「ううん。家族みんなをとても大切に思ってるところ」
「……ありがとう、ママ！」
*****
テスト終了の音がなり、“私”の意識が引き戻される。この現象は、10歳になった今でも続いていた。
「結果を返すわね。ノーマン、レイ、エマ、A……凄いわ3人とも！ また300点、
ほんと、凄いな……。これ、育て方どうこうでどうにかなるものなのかねぇ？ 回答時間10秒ってのが更にヤバい。
「お前ら！ 鬼ごっこで勝負だ！」
みんなが
『鬼ごっこかー。いいよ！』
鬼がノーマンとかにならなきゃ、私も結構生き残れると思う。まあ、今回はノーマンなんだけど。
外へ出て鬼を決めると、記憶通りにノーマンが鬼になり、鬼ごっこが始まった。
Episode 1 ―一話―
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作者名：時雨 | 作成日時：2022年6月22日 22時
