【約束のネバーランド】気がついたら現代のJCから農園の食用児になってました。これって転生？――When the……【レイ】 (ページ12)

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9.Accomplice ページ12

目線は合わせずにそう切り出すと、レイは読んでいた本を放ってこっちを向いた。
　原作知識に基づいて言ってるだけで、証拠なんてない。気が付いた理由を説明しろと言われたら無理だし、逆に私が怪しまれてしまう可能性だってある。でも、ミスを取り返すには、リスクを負わなければいけない。

『私、門に髪飾り落として来ちゃったみたいでさ、ママにバレちゃったんだよね。でも、1人で行ったってことにした。だから……話合わせといてね？』

　一方的に言い、立ち上がった。そのまま森にでも行こうとしたけど、明らかに警戒したようなレイの顔を見て、足を止めてしまった。

「お、おい！何で──」

『ごめんね』

　きっと、このことでレイを悩ませてしまう。それに私はずっと、真実を知って苦しんでいたレイを横目に何もできなかった薄情な奴だ。
　でも、エマたちの行く末を知っているなんて、信じられる訳がない。1人でどうにかする力もない。だから結局、こんな怪しい立ち回りしか出来ない。
　レイは私を問い詰めたかったようだけど、ママが外に戻って来てしまった。ママは、私たち2人とも秘密を知っていることを知っているけど、さすがに目の前で言い争っているのはマズい。

「…………。エマとノーマン、どこ行ってる？」

　少しの間考えてから、レイは口を開いた。

『えっと、あの木から先に行ったところだと思う』

「行くぞ」

『えっ、ちょっと！？』

「…………。分かった。ノーマンとエマが門に行ったことも、お前のことがママにバレてること(・・・・・・・・・・・・・・・)も秘密にしてやる。だから、お前も俺のこと誰にも言うなよ」

　レイがママに情報提供していることも、私が門に行った事実だけはママに話していることも、エマとノーマンには秘密。そして、レイが二重スパイであることも、本当は行ったのが3人であることもママには秘密。
　こうして、私とレイは嘘を共有する仲となったのだった。

Accomplice ―共犯者―