8.Rethink ページ11
あの後、動揺を隠しながら、2人と一緒にロープを調達しに行った。そして消灯の時間になり、少し冷静になれた。でも、少し考え直さないといけないかもしれない。
私の作戦としては、こうだった。私がリトルバーニーを回収すれば、私たちが門へ行ったことはママにバレない。そうすれば警戒が薄くなるから、ノーマンの出荷も満期まで延ばせる、と思ったのだ。しかし、バレてしまった以上、きっとママは私以外にも疑いをかけるだろう。1人で行ったとは言ったけど、正直に信じるとは思えない。そして、ママが疑いを持ってしまえば、レイに話が行く。レイは最終的にはこちらの見方だけど、エマとノーマンのことを話してしまう可能性もある。だから、今すべきなのは──
*****
まだ疑いは少ない──と思いたい──2人と、自由時間の間ずっと一緒にいるのは危険だ。それに、やりたいこともある。だから2人には「いろいろ考えてて寝不足だから、今日は休んでていい？」と言って、今日はハウスから近いところに留まった。ちなみに、これは本当のことだ。
あくびをしながら、レイのいる木の下へ歩いて行く。
「どうした、寝不足か？」
『うん。なんか、昨日寝付けなくて……』
レイと話したいことがあるけど、今は近くにみんながいるし、少し待っていよう。どうやって話そう……かな…………。
*****
『……ん、あれ？』
気が付いたら周りが静かで、近くにはレイしかいなかった。
『私、寝てた？』
「30分くらいな」
『Oh……。みんなは？』
「ちょっと前に、隠れんぼしようっつって向こう行った。ママは赤ん坊の面倒を見に、一旦ハウスの中」
「そっかー」
晴れた日のお昼。広がっている芝生と森は、とてものどかだった。まぁ、この塀の中だけなんだけど。
『……レイ』
「……何？」
『レイはさ、ハウスの秘密知ってるでしょ』
Rethink ―再考―
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作者名：時雨 | 作成日時：2022年6月22日 22時
