【約束のネバーランド】気がついたら現代のJCから農園の食用児になってました。これって転生？――When the……【レイ】 (ページ2)

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Prologue ページ2

自由時間になり、みんなが外へ走って行く。

「今日はかけっこしようよ！」

「えー、かけっこじゃエマの独壇場だからなー」

「どくせんじょー？」

『すごい強いってことだよ』

　エマの身体能力はヤバすぎる。私も一応、前世では運動部だったりして体を動かすのは苦手では無いのに、エマにはまるで追い付けない。

「でも、Aもかけっこは強いよね」

「そうだな、こいつも運動は(・)出来るやつだ」

『ちょっと、レイ。わざわざそこを強調するのやめてよー！』

「だってお前、テストではいつも満点(フルスコア)のくせに、それ以外のことには全く頭使わないだろ」

　そんなこと言わないでください、そもそもテスト受けてるのも私じゃないんです……とは言えない。初めて“私”としてテストを受けたとき、健闘はしたものの、いつもより点を落とした。多分、そんな様子を見て、“本当のA”は代わりにテストをやってくれているのだと思う。
　……いやね！？私が頭悪いんじゃなくて、満点(フルスコア)の君たちが頭良すぎるんだよ！？
　とは言え、私もアホな訳では無い。だから初めのうちは、表面上は歳が近い兄弟たちとは話しづらくて、その頃の満点(フルスコア)の11歳の姉と一緒にいることが多かった。でもその姉はすぐに里親に引き取られて(出荷されて)行き、その後はレイやノーマンといることが多かった気がする。……いつも楽しく話していた子の出荷を見送るのは、辛かった。

「よーし、じゃあ今日は、あの2人をかけっこで負かす特訓だー！」

　と、スーザンがみんなを連れて行った。
　彼女の出荷が決まったのは、その数週間後のことだった。