やさしいキスをして。【紫・黒】２

真相 ページ4

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今頃目黒の奴は上手くやっているだろうか。

Aを視界の隅に捉えたまま、考えるのは目黒が証拠の全てを見つけ出すことなんだけど。

どうすんの上手くいかなかったら……なんてちょっと思いつつ挑発なんてしちゃったよ俺。









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目黒がサツだって知ったのは、Aとアイツが会っているのをたまたま見掛けた事がきっかけだった。


あの日はうちのシマにある店の売上を確認した帰りで、これからラーメンでも食いに行くかなーとか思いながら車のウィンドウを下げて煙草を吸っていて、流れる景色の中でチラッと見えたのがAだった。


いやいや多分見間違えよ。俺目ぇ悪ぃもん。


だけど気になって、「ちょっと停まって待ってて」と下っ端を車に残してさっきAらしき子を見掛けた場所まで戻った。



『ねぇ、そいつから離れてくんない？』



少し気になっただけだったのにね、イケメンくんに顔を近づけられるAがキスされてるように見えて、なんかカチンときたの。

だから様子を見ようとしただけなのに、気づけばイケメンくんを挑発していたわけで、さらにはAとそういう関係にまでなってしまった。




情事後、気を失うように眠ってしまったAの頬を撫でながら「あーやっちまった」て、ほんとはすっげぇ後悔したのよ。

手を出すつもりはなかったから。

いや出すわけにはいかなかったから、が正しいね俺の場合。


なのに「好きです」て何度も言われてみ？ 純粋な瞳を潤ませて身体中で俺が好きって言ってるの見たら男として放っておけるかっての。


最近ますます増えた溜息と煙草の本数、そしてさらに護らなきゃならねぇもんが増えるのは……



『 ……ん、なあに？』


煙草に火を付けたタイミングでスマホがブーブーと震えた。

指をスライドさせて通話に切り替えれば、相手はなべ。


『 お前が調べろっていう奴、あれサツだよ警察。なにお前なんかヘマしたか。笑』

『 あーうっざ。ヘマなんかすっかよ。ふうんあれ警察ね。わかったあんがとぉ』



Aが寝た後で気になって、なべに身辺調査を頼んだ。

そしたらまあ厄介な相手とお友達だことで。


『なあ、 』

『 ん〜？』

『そいつさ俺にちょっと任せてみる気ない？』


なべの言葉にお目目ぱちぱちの辰哉さんです。

え、なに沈めんの？ なにもしてねぇけど。


『上手く使えると思うんだけど、奴らを一気に駆除すんのに』




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