やさしいキスをして。【紫・黒】２

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「辰哉さん！ 教育的に悪いこと言わないでっ」

「え〜駄目？ 性教育ならお手のものだけど？」

「馬鹿っ！！」




駄目だわ。子供たちに別の意味で悪影響を及ぼしそうだから、「もう帰って」と背中を押す私を彼は嬉しそうに見て笑ってる。


とても嬉しそうに、とても楽しそうに。


キラキラと眩しく、あたたかい笑顔だ。




「A、今夜はお祝いしようぜ！」

「え、お祝い？」

「ベッドの中で、こっい〜の！」

「っっっっ！！」

「あははは！ うんうん、良い反応よ？ じゃあ先帰ってるわ」





ちゅっ、と自然に頬にキスされて何も言い返せなくなってしまった私。


私と彼の関係もあの日、偽物から本物へと変わった。









ねえ、辰哉さん。

貴方に出逢わなければ、こんなにも胸の奥がギュッと掴まれるほどの恋い焦がれる想いを知ることはなかったでしょう。


一度は報われなくても構わないと思ったこの気持ち。


私はどんな事があったも貴方を想い続ける、見返りなんて求めないから傍にいさせて欲しい。


これが無償の愛なんだと知った。




でも貴方は、私を愛してくれた。








「A、今日も愛してるよ」





今ではあの頃が嘘のように、甘い言葉と共に やさしいキス で私を愛してくれる。




そんな辰哉さんを、私も愛してます。









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やさしいキスをして。【紫】
[完]

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