やさしいキスをして。【紫・黒】２

闇を照らす光 ページ16

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「"次のニュースです。詐欺集団の首謀者が逮捕されました。児童養護施設"ゆきのとりかご""園長＿＿＿＿＿＿＿"」






数日後、ニュースでは辰哉さんたちの育った施設の園長が詐欺容疑、そしてその園出身者の人が殺人容疑で次々に逮捕されたと報道された。



お昼のBARで、宮舘さんに作ってもらったオムライスをバクっと頬張ってる辰哉さんは大丈夫なんだろうかと少し心配になった。


全部事情を話してくれたんだ、自分たちが育った園の話も園長の話も、そして何故自分がこの道へ進んだのかも。


目黒くんとのことも話してくれて、あらためて皆に助けてもらったことに感謝した。







「辰哉さん、大丈夫？」

「……ふぁにが？」




あ、頬っぺにケチャップついてる。

それを拭ってあげれば、「ありがと〜」とまた食べ始める。




「施設は閉園になるんだって」

「チッ、結局一番避けたかったことになってんじゃん。あいつら大丈夫かな」



グラスをナフキンで磨いてて普段と変わらない姿を装いつつ同じグラスをもう３０分も磨き続けてる宮舘さんと、椅子に座ってクルクル回りすぎて目を回して床に寝そべった渡辺さん。






「でぇじょうぶよ〜。俺が皆連れ戻すから」





児童養護施設"ゆきのとりかご"は事実上は閉園、そこにいた子供たちはバラバラになって他の施設へ入ることになる。

彼は子供たちを家族と思っていたから、一番それを避けたかったようでとても悔しそうだった。


けれど辰哉さんはこうなる事を見越して、既に動き出していた。



新しい場所を見つけ、新たな"ゆきのとりかご"を作ろうと。





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