大切な人のため ページ1
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今日は非番だったけど、寮が近いってのもあって何の気なしに例のBARの前を通った。
そしたらタイミング良くなのか悪いのか、なんだか慌ただしく店の前に知らない車が急ブレーキで停車して、窓から見えた人影は確か渡辺だったか。
ビルの隙間に咄嗟に隠れたけど、俺仕事しに来たわけじゃねぇしな。基本バディと一緒にってルールだって破ることになる。
けれどこれは奴らの尻尾を掴めるチャンスじゃねぇかって。
普段は下っ端が運転する車に乗る深澤が、今日はスーツを着て宮舘をも連れなって車に乗るなんて。
これは何かあんだろ。
これは見逃す選択はないと判断し、先輩にメールを入れて顔を上げれば、深澤が宮舘越しに手を振っていた。
キョロキョロ……て俺だよな、これって。
うわぁー、また先輩にドヤされんじゃん。
なに見付かってるんだって。
前も俺的にはしっかり隠れていたのに、あの運転席からチラリとこっちを見た渡辺とかいう野郎にバレたんだよ。
『お疲れさまー。 はいこれ牛乳ね』
隠れてる俺の下へ戸惑うことなくやって来て、牛乳パックを二つ。
は、なんで警察の俺らのに差し入れしてんの？
『お前さ顔良いしデカいから目立つぜ。それで見張ってるとかちゃんちゃらおかしいだろ』
これ褒められてるのか貶されてんのか分からなくて、後ろにいる先輩を見たら物凄い形相で睨まれてたんだよな。
あの顔と渡辺の綺麗な顔を見比べて、どっちがヤクザか分からなくなったのは言わなかったけど。
『んじゃあ、あんま目立たないでね。商売の邪魔だから』
言うことだけ言って渡辺は、去り際に俺の上着の胸ポケットにメモを潜り込ませて肩を数回叩いた。
コソッと、『気づかれんなよ』と言って。
あの日の事を思い出し、未だに捨てられるずにいるのは住所の書かれたメモ。
車は遠に走って行ってしまった。
ビルの外に出てそのメモを見る。
「ここに行けば何か分かるってのか？」
元々考えるより気持ちで動くタイプの俺は、メモを握り締めてポケットにしまうとタクシーを停めて運転手にその住所を伝えた。
やるしかねぇわ。
俺はもう警察としてアイツと向き合うって決めたんだから。
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ゆきんこ(プロフ) - スノ姫さん» コメントありがとうございます😌楽しんで頂けたようで嬉しいです😊 (2021年9月30日 6時) (
レス) id: e6ed62ce5f (このIDを非表示/違反報告)
スノ姫 - 素敵でいい話しですね。少し感動しました。凄く良かったですよ。 (2021年9月30日 6時) (レス) @page23 id: 61c754dd4c (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - あやかぽん。さん» あやかぽん。様！最後まで読んで下さり有難うございました（私が人工呼吸しに行きますね←）裏をかけて良かったのかな？（笑）元々極道な彼を目立たせたくて黒くんご登場頂いたので、黒担さんにはちょっとごめんさいしておきます！有難うございました☆ (2021年5月13日 22時) (レス) id: 07fd991e4a (このIDを非表示/違反報告)
あやかぽん。(プロフ) - ぶはっ(無呼吸で読んでた人)やっと読めました。。いやぁふっかさん想像しやすかったです。。絶対めめちゃんとくっつくと思ってただけにいい意味で裏切られてさすがゆきんこ先生って感じでしたヽ(；▽；)ノ←誰？？とても楽しかったです！！ (2021年5月13日 17時) (レス) id: 2ac8db89d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ななさん» なな様、お返事遅くなってすみません！そう言ってもらえると、頑張って書いて良かったなって思います(o^^o)ありがとうございます!! (2021年5月10日 13時) (レス) id: 07fd991e4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2021年5月5日 22時
