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「わ、たしの事嫌いですか？」
出会った頃は結構お喋りな人だと思ってた。
でも今は分からなくなってしまった。
無言で口の端を上げて笑っただけの貴方を。
「好きだよ」
「え！？」
握った手が震える。
辰哉さんの言葉一つ一つに踊らされていた。
「それだけでいいじゃん。好き、だから抱いたよ。でも、これでおーしまい」
両手を広げ、煙草を咥えたまま微笑んでおチャラける。
でも直ぐに真剣な表情になって、指で煙草を持って紫煙を吹かすと言った。
「ハッキリ言うわ。俺とお前じゃ住む世界が違ぇのよ。こっちの世界に来たらお前、今持ってるもん全部失うぜ」
鋭い眼光が私を見つめ、ゾクッと身体が震えた。
私に向けてくれていた優しい顔は全て幻だったのかな。
綺麗なその手で髪を撫でてくれたのなんで？
「っ、私、それでも貴方が好きなんです」
「ありがとう。でも、忘れな」
「遊び、だったの？」
「遊ばれるよって言ったじゃん」
「それはっ、悪い人にって！！」
今度は辰哉さんの方から私に近づき、耳に唇を寄せる。
「俺が悪い人なんだよ。ごめんな？」
.
雨がぽつりぽつりと降ってきた。
見上げて思い出したのは、辰哉さんと出会った日のこと。
びしょ濡れになった私に、傘をさしだしてくれたあの時の辰哉さんの顔が忘れない。
『ねえ、大丈夫？ 雨凄いからさ、雨宿りしよっか』
あの笑顔に救われた気がしたのに。
濡れた手を握ってくれた温かい手に誰かも分からないのにホッとして、グチグチと零す愚痴に嫌な顔一つ見せずに付き合ってくれて、あの優しさが嘘だなんて信じられない。
『上っ面だけ見て尻尾振る女は、俺みてぇな男に騙されるから気をつけな』
それだけを言うと、彼は私の前から去った。
階段を降りて行く背中を見たら、着いてくるなって貼り紙がしてあるくらい刺々しいオーラが出ていて、ゴクッと唾を飲み込んで一筋の滴が頬を流れ落ちた。
「辰哉さん、それでも好きだったら……」
どうしたらいいですか？
この気持ちは届かないの？
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ゆきんこ(プロフ) - あきさん» あき様、こんばんは！コメントありがとうございます！極道VS刑事が楽しんでもらえてますか？ ダメよダメと思う程燃えるのともあるよなーっていう恋愛にしております(o^^o)あ、私も経験はないですよ（笑） (2021年5月6日 23時) (
レス) id: 07fd991e4a (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - ゆきんこ様、こんばんは☆紫さんの極道と黒さんの警察官…もっと早くに読めばよかった…(>_<) ダメなのは頭ではわかってるのに、危険な香りがする男に惹かれるの…わかる気がする(//∇//) ☆あ、経験はないですよ(笑)♪ (2021年5月6日 21時) (レス) id: 4aac9fb6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - megさん» meg様、コメントありがとうございます!! そして作品を気に入ってもらえて嬉しいです(^^) ありがとうございます!! (2021年5月4日 20時) (レス) id: 07fd991e4a (このIDを非表示/違反報告)
meg(プロフ) - やっぱりゆきんこさんの作品大好きです!! (2021年5月4日 16時) (レス) id: dd471eef77 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - reaさん» rea様、初めまして！コメント有難うございます。ドラマ化とかなんて嬉しいお言葉をっ!!実は裏設定？として夜10時枠頃のドラマを意識して書いてるところがあるので、そう言ってもらえてとても嬉しかったです!何度も読み返してもらえるように頑張ります(^^) (2021年5月4日 8時) (レス) id: 07fd991e4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2021年4月19日 21時
