お礼 ページ11
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意味もなくスマホ画面を見る時間が増えた。
休みの日は特に。だから散歩でもしようかなって家を出た。
向かうのは公園、タツさんに会えるかなと少しだけ期待して。
「あ、どうもどうも〜」
「…………」
「うーん、そんな怖い顔しても怖くないよ。笑」
いた。公園のベンチで、細身のジーパンに肘を乗せてプカーっと煙を上げてる彼が。
「煙草吸うんですね」
「たま〜にね。て、まあた俺のこと捜しに来ちゃったとかぁ？」
「………」
違うって言いたいけど、実際はその通りで何も言い返せない。
どうして連絡してくれないの？
連絡するって言ったのにって浮かぶ言葉は数あれど、それを口に出せずにただ恨みがましく彼を見上げた。
「やめなやめなー。あの日はたまたまずぶ濡れの子猫を見つけちゃったから、放っておけなかっただけだから」
その子猫って私？
「君の裸見ちゃったし、それで全部チャラって言うかさ。お礼なんて要らないから、俺には関わらない方がいいよ」
「……チャラになんてならないです。私の気は済まないです、ずっと」
「うーん……だったら、うん、よし！」
携帯灰皿に煙草を押し付けて消し、それをポケットにしまうとタツさんは、のそっと立ち上がり腰をクネクネと捻った。
見上げたままの私に眼鏡越しの瞳が優しく笑う。
「着いてきな」
.
夕方前の繁華街のちょっと奥にあるお店、入り口は階段を下りた先にあるようで、
「おいでおいで」、とタツさんに呼ばれるまま緊張しつつ階段を下りた。
まだオープン前なのか看板は入り口の隣にぽつんと置いてあって、勝手知ったる場所なのかドアを開けて中に入って行く。
「お〜い。なべ、いる〜？」
「ん？ ああ、ふっかじゃん」
カウンター側に話し掛けると、グラスを拭きながら現れた白Tの爽やかなお兄さん。
ふっか？ て、タツさんのことなのかな？
その彼の後ろにいた私を見て、誰だ？て片方の眉を上げてる。
「あのさぁ、カクテル作って？ 俺と彼女に」
「はぁ？ まだオープン前だぞ、めんどくせぇなぁ」
「お願いしまぁす！ほら、かぁいい女の子連れて来たじゃぁん」
「……いやお前のだろ」
お前のだろ、発言に顔が熱くなって俯く。
決してそんな関係ではないから。うん。
.
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ゆきんこ(プロフ) - あきさん» あき様、こんばんは！コメントありがとうございます！極道VS刑事が楽しんでもらえてますか？ ダメよダメと思う程燃えるのともあるよなーっていう恋愛にしております(o^^o)あ、私も経験はないですよ（笑） (2021年5月6日 23時) (
レス) id: 07fd991e4a (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - ゆきんこ様、こんばんは☆紫さんの極道と黒さんの警察官…もっと早くに読めばよかった…(>_<) ダメなのは頭ではわかってるのに、危険な香りがする男に惹かれるの…わかる気がする(//∇//) ☆あ、経験はないですよ(笑)♪ (2021年5月6日 21時) (レス) id: 4aac9fb6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - megさん» meg様、コメントありがとうございます!! そして作品を気に入ってもらえて嬉しいです(^^) ありがとうございます!! (2021年5月4日 20時) (レス) id: 07fd991e4a (このIDを非表示/違反報告)
meg(プロフ) - やっぱりゆきんこさんの作品大好きです!! (2021年5月4日 16時) (レス) id: dd471eef77 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - reaさん» rea様、初めまして！コメント有難うございます。ドラマ化とかなんて嬉しいお言葉をっ!!実は裏設定？として夜10時枠頃のドラマを意識して書いてるところがあるので、そう言ってもらえてとても嬉しかったです!何度も読み返してもらえるように頑張ります(^^) (2021年5月4日 8時) (レス) id: 07fd991e4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2021年4月19日 21時
