雨の中の出会い ページ1
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私はこんな降りしきる雨の中なにをやっているんだろう。
ザーザーと頭上から滝のような水滴が幾つも幾つも私を通って地上に吸い込まれていくのを、ただただ見ていた。
「ねえ、大丈夫？ 雨凄いからさ、雨宿りしよっか」
ふ、と顔を上げたら透明なビニール傘が雨から私を守ってくれていて、「行こっか」と肩を抱いて何処かへ私を連れて行こうとする男性の横顔を見た。
長めの前髪からは水滴が滴り落ちていて、黒縁眼鏡から見える瞳がこっちを振り向いた。
「ん？ どうしたのー？ と、聞く前にとりあえず、ここね」
てっきりホテルへ連れ込まれるかと思ったの。
だってここホテル街が近いから。
だけど予想に反して眼鏡の彼は近くにあったラーメン屋の屋台の暖簾を潜って私を赤い丸い椅子に座らせた。
「おっさん、タオルとかねぇ？」
「おお、タツ。なんだ戻ってきたのか？ て、嬢ちゃんどうしたっ、ずぶ濡れじゃねぇか！」
「だからタオルねぇかって聞いてんのよ」
タツってこの彼に、おじさんは白いタオルを幾つか渡している。
それをボーッと見てるだけの私の頭に今しがた貰ったタオルがバサッと乗って、次の瞬間にはガシガシと手荒く拭われた。
「うっ、あっ、」
「ほんとさー、急に降り出すもんだから困るよね。天気予報あてになんねぇわ。てか、お嬢ちゃんもお嬢ちゃんね、なんで突っ立ってたの？ 俺ラーメンたらふく食って、さてこれから帰って寝ようかなーって思ってたのに、無視できないじゃん」
凄くお喋りな人だなって思いながら、大人しく拭いてもらう。
その間も何か色々話してるけど、私の耳には先程あいつに言われた言葉ばかりが巡り巡ってるんだ。
『お前との方が遊びだったから』
「っっ、」
そうだった、あんな人の為に涙を流すのが癪で、だから運良く降り出した雨に嫌な記憶と共に流してもらおうと思ったんだった。
「…………」
髪を拭く動作が優しくなって、もうとっくに水滴はついてないのに彼は暫くずっと拭くフリをしていてくれた。
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ゆきんこ(プロフ) - あきさん» あき様、こんばんは！コメントありがとうございます！極道VS刑事が楽しんでもらえてますか？ ダメよダメと思う程燃えるのともあるよなーっていう恋愛にしております(o^^o)あ、私も経験はないですよ（笑） (2021年5月6日 23時) (
レス) id: 07fd991e4a (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - ゆきんこ様、こんばんは☆紫さんの極道と黒さんの警察官…もっと早くに読めばよかった…(>_<) ダメなのは頭ではわかってるのに、危険な香りがする男に惹かれるの…わかる気がする(//∇//) ☆あ、経験はないですよ(笑)♪ (2021年5月6日 21時) (レス) id: 4aac9fb6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - megさん» meg様、コメントありがとうございます!! そして作品を気に入ってもらえて嬉しいです(^^) ありがとうございます!! (2021年5月4日 20時) (レス) id: 07fd991e4a (このIDを非表示/違反報告)
meg(プロフ) - やっぱりゆきんこさんの作品大好きです!! (2021年5月4日 16時) (レス) id: dd471eef77 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - reaさん» rea様、初めまして！コメント有難うございます。ドラマ化とかなんて嬉しいお言葉をっ!!実は裏設定？として夜10時枠頃のドラマを意識して書いてるところがあるので、そう言ってもらえてとても嬉しかったです!何度も読み返してもらえるように頑張ります(^^) (2021年5月4日 8時) (レス) id: 07fd991e4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2021年4月19日 21時
