義兄ちゃん【桃】

なな ページ8

『ただいまー』

さとみ｢A！おかえり！｣

『…』



両手を大きく広げ、ハグを求める義兄ちゃんの横を無言で通る。
あれからころんと適当にブラブラした
まぁやることも無いしね



さとみ｢ねぇAつーめーたーいぃー！｣

『お母さん、部屋にいるからご飯出来たら呼んで』

お母さん｢分かったわー｣



さとみ｢ねーAー｣

『なんですか。てか着いてこないでください』


手をぶんぶん振って着いてくるこの人は本当に年上なのだろうか。

最悪な事に、部屋は2人で共有なのだ。
面倒臭いったらありゃしない。



さとみ｢ねーえー｣

『…』ｲﾗｧ

さとみ｢Aー｣

『なに！？』

さとみ｢…青髪の奴彼氏なの？｣

『は？』



一緒にいたのバレてたんだ
どうでもいいけど



さとみ｢A彼氏いるの？｣うるうる

『なわけ…』



いや待って。
急に猫なで声になったぞ。
かわい…くない！



『というか、義兄ちゃんの方が彼女いそうですけど』

さとみ｢いないよ！｣

『今日女の子連れてたじゃないですか』

さとみ｢違う！あれは彼女じゃない！｣

『じゃあなんなんですか』

さとみ｢…囲いだよ！｣

『なんですかそれ…』



まぁ分かるよ
今日ころんに聞いたもん
ファン的なのでしょ？



さとみ｢とにかく！俺は彼女なんていないの！｣

『そうなんですか…』

さとみ｢あ、ちなみに。俺の彼女枠…空いてるぜ｣

『それ一生埋まりませんよね』

さとみ｢Aの為にとっといてるの！｣

『はぁ…』



そろそろこのセクハラ発言やめて欲しいわ



さとみ｢てかさー、いつまでその喋り方なわけ？｣

『私が義兄ちゃんを好きになるまでです』

さとみ｢分かった！じゃあこれからタメ口になるからね！｣



なにその宣言



『絶対このままですよ』

さとみ｢そんな事ないもん！｣

『意地でも直さない』

さとみ｢もうタメ口じゃん｣

『意地でも直しません』

さとみ｢んふふ、Aかぁいー！｣ぎゅー



どさくさに紛れて抱きついてくるこの義兄ちゃんは私の敵だ
絶対に好きになんてならないからね

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