義兄ちゃん【桃】

じゅうに ページ13

朝ご飯のトーストを食べながら横目でAを見る。
すぐに出発できそうだ。



さとみ｢A、俺遅くなるかもだから先行ってていいぞ｣




Aのこと不安にさせるのも悪いしな
トーストに噛み付くと、制服の裾がひっぱられた。




さとみ｢？｣

『…私と行きたくなくなった…？』




少し寂しそうな目をしながら上目遣いでこちらを伺う。
やばい可愛いどうしよう。

安心させようと優しい声をだす




さとみ｢違うよ。一緒に行きたいのは山々なんだけど、時間のことでAが不安になっちゃうかなって思っただけ｣

『…待ってる』

さとみ｢ん？｣




少し意地悪して聞こえなかったフリをしてみる。

するとAは少し顔を赤くして




『義兄ちゃんと行きたいから待ってる』




そう言った。
今までAならこんなこと言われるのは無かったから嬉しくてつい頭を撫でてしまった。

…引かれてないかな？
すぐに手を引っ込めた。




さとみ｢ごめんな、気持ち悪かったよな｣




少し自傷気味に笑った。
Aは頭を撫でた方の俺の手を両手で包み込み、




『…もっと撫でて欲しい』




もともと少し赤かった顔を真っ赤にして言うもんだから耐えられない。

トーストをお腹の中に詰め込み、Aと早く学校に行ってあげようと思った。

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上手くなった気がするんだけど気のせい？

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