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【ぺけたん】職業体験【パンジー】3 ページ16

ぺけたんside



子「せんせ、これあげる!」
ぺ「このお花くれるの!?
嬉しい、ありがとう!」

1人の子供から花を受け取った。
見たことある花だが、どんな名前かはわからない。
ふと見ると、園の花壇の手入れをする先生がいたので、聞いてみることにした。

ぺ「あの先生、この花って何の花かご存じですか?」
?「…あぁ、園児からしっかりと受け取られたのですね。
私は先生ではないんです、この園に花を提供する花屋の店員です」
ぺ「そうだったんですね!すごく馴染んでいたので、つい…」
店「よく言われます。
その花はパンジーと言って、シェイクスピアの作品では【心の慰め】なんて言葉を用いられる程のロマンチックな花です。
古くから恋占いに使われる程親しみが深いので、是非その恋を共有してくだされば、と思って園児に渡すよう頼みました」
ぺ「共有?誰とですか?」
店「あなたが1番ご存知かと思います。
恋は早くから動いた人勝ち、ですからね」
ぺ「…え、その、バレてました?」
店「えぇ、園児にも意識されるほどでしょうからね」

恥ずかしい!と思いつつ、そんなにバレてるならもうしっかり伝えるしかないな、と心を決めた。
子供達との交流も終わりの時間がやってきて、みんなの帰る準備を手伝った。
最後の1人が園から出た時、俺はAを呼び止めた。

ぺ「先生!…じゃなくて、Aちゃん!」
『どっちでもいいのよ、何かしら?』
ぺ「…これ、あげる」
『…わぁ、綺麗なパンジー!
もしかして園児達がくれたこれって…まさか?』

そう言いながら、Aはポケットから小さなカードを出した。
聞くと彼女も園児達からプレゼントをもらったらしく、俺が花を渡すことがバレていたらしい。
しかもそのカードには、パンジーの花言葉が記載されていて、なんだか違った形で告白するようなことになってしまった。

ぺ「いや、幸せそうなまま終わろうかなぁ
って思ったんだけど、あれだけ子供達にもバレてちゃ仕方ないかなぁ、って…」
『たしかに、あの時は私もびっくりしたわ。
…でも、なんだかこうして気持ちが一緒なんだって思うと、それよりも嬉しく感じちゃう』
ぺ「奇遇だね、俺もだよ」
『うふふ、よかった』

綺麗な笑顔がそこにある。
ふと気づくと、子供達がまだそこに居た。
俺達は恥ずかしくなって、2人共目を合わせられなくなってしまった。





…そんな、甘い職業体験の話。





___
パンジーの花言葉

【私の胸はあなたのことでいっぱいです】

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設定タグ:フィッシャーズ , 恋愛 , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:あかね | 作成日時:2020年4月30日 3時

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