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【ぺけたん】職業体験【パンジー】 ページ14

ぺけたんside



桜が咲いた。
自らが歌う曲でも感じた、別れと出会いの象徴。
出会いなんて大層なものはしていないけど、不思議な縁で旧友が務める場所へと向かう。
今日は単独でのお仕事の依頼のため、幼稚園に来た。
子供達に歌を教えてほしいのだそう。
近々行なわれる発表会に向け、外部からの指導を依頼したかったのだそう。
子供達も知ってる人を聞くと、ダントツで名前の挙がった「Fischer's」に依頼することになったそうだ。
ただ、ンダホはどうしても外せない用があるらしく、動画撮影の練習の一環として、俺一人で担当することになった。

ぺ「…あ、いたいた!Aちゃん!」
『よく来てくれたわね、有名人のぺけたんさん』
ぺ「有名人だなんて言わないでよ、恥ずかしくなっちゃうじゃんか〜」
『うふふ、でもあの頃からひっそりと応援してたのは事実よ?
こうして大きくなってから出会えるなんて、私は嬉しいなぁ』
ぺ「さすが先生、褒め上手!」
『それほどでも』

中学の時から何かと構ってくれたA。
昔から子供をお世話することが好きで、こうして夢を叶えてくれていたことは俺も嬉しく思う。
お互いに夢を謳歌する姿は、何よりも子供達にいい背中を見せてあげられる証拠だ。

『それじゃ、中を案内しながら今日のことを説明するわね』
ぺ「よろしくお願いしま〜す」

中は全て子供サイズ、意識しないと踏んでしまいそうな小ささ。
Fischer'sの活動でも子供達とふれあうことはあるが、大抵は小中学生。
幼稚園児と関わることはあまり無いので、距離感や気分を上手く掴むことが出来るか不安だ。
それでも、大丈夫だよ、と励ましてくれるAの言葉を信じ、俺は先生用のエプロンを身に纏う。

ぺ「サイズ合ってる?」
『ぴったり!』
ぺ「これAが仕立ててくれたんでしょ?
もう何もかも上手だよね〜、尊敬しちゃうよ」
『子供達と笑顔で過ごすぺけたんの姿を想像したら、本気で作っちゃったの…。
顔とかマイクとか、色んなものくっつけ過ぎちゃったかな?』
ぺ「え、めっちゃ俺の顔似てる!!!
しかもこんなに丁寧だし、俺の事考えててくれて、すっげぇ嬉しい!」
『喜んでくれたならよかった!
さて、これからは先生になってもらうから、ビシッとしましょ!』
ぺ「はーい!」

続々と来園する子供達。
その明るい姿を職員室の窓から眺めつつ、心がわくわくするのを感じた。

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設定タグ:フィッシャーズ , 恋愛 , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:あかね | 作成日時:2020年4月30日 3時

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