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【ダーマ】わがままって言わないで【デンドロビウム】2 ページ13

ダーマside



Aを家に送ってから、俺は家に帰ろうとした。
しかし手ぶらで帰るのも癪なので、たまにはアイツのために花を買ってもいいだろう、と花屋に立ち寄る。
鮮やかな色が目に飛び込んで、思わず目がシパシパとなった。

店「何かプレゼントをお探しですか?」
ダ「あ、いえ…」

こういうやけに馴れ馴れしい店員は嫌いだ。
自分で選んで渡してやりたいが、全くの素人分野ではそうも行かない。
俺は黙って店員におすすめを聞いた。

ダ「あの、後輩…てか、年下への労いのプレゼントって何がいいんですか?」
店「それなら、デンドロビウムは如何でしょう?
花束よりは鉢ごとお渡しする方が良いのですが、可愛らしさと手頃さで言えば抜群です。
色も女性人気の高い色が多く、その後輩さんに少しでも気があるなら、更にオススメです」
ダ「気…気!?」

俺は一気に顔が赤くなった。
そうか、花を渡すということは、女性からするとそういう事なのか。
たじろぐ俺を見て、店員はふふっと含み笑いを浮かべた。

店「いえいえ「気があるなら」と言ったのは、この花の花言葉が影響しています。
相手をやんわりと褒める意味なので、お客様の雰囲気には合うのではないでしょうか?」
ダ「…それ、馬鹿にしてます?」
店「いえ?」

なんだか見透かされたようだが、他にいい花も思いつかないのでそれに決めた。
しかし、この花はどんな恥ずかしい花言葉なのだろうか?
俺は家でこっそり花言葉とやらを調べてみた…

…調べたくなかった。



次の日。
お互いオフだったので、わざわざAの家に花を届けに行った。
実は家に上がるのは初めてで、Aにしては閑散とした部屋だった。
これなら、花のひとつを飾るのも悪くない。

ダ「ほら、お土産だ」
『食べ物ですか?』
ダ「せせこましい部屋だから花を買ったんだ。
デンドロビウムって言うらしい」
『如何にも花は無知そうな顔で…でも、ありがとうございます』
ダ「いや…ただの思いつきだ…」

そうして、例の花言葉が書いてある紙をAが確認した。

『…またわがままって言ったー!』
ダ「お、俺は言ってないぞ!?
ただ、選んだのがそうなだけで…」
『褒めるのか貶すかどっちかにしてください!』
ダ「知るか!」





…はぁ、これじゃあ意識するしかないじゃないか。





___
デンドロビウムの花言葉

【わがままな美人】

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設定タグ:フィッシャーズ , 恋愛 , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:あかね | 作成日時:2020年4月30日 3時

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