FirstPeople -CM-

社員旅行 ページ35

．




到着したのは常夏の国ハワイ
真冬の日本とは大違い





YH「チャンミン、この後の予定は？」

CM「特にないです」

YH「これ。俺のオススメの場所だから気が向いたら行って来い」

CM「俺一人で？」

YH「いい所だよ。ココ」





紙切れに書かれた住所らしき場所
でも行く気になんてなれなかった



部屋のベッドに横たわり
全開にした窓から聞こえるさざ波
余りにも心地良くて気付いた時には夕陽が傾き
綺麗なオレンジ色が青い海を染め始めてた





そう言えば。
Aもハワイが好きだと言っていた
付き合ってた頃はAの部屋が常夏ちっくで
ヤシの実で出来た入れ物やアロマもココナッツで
日本なのに日本じゃないみたい錯覚だったのを思い出した







それと同時にベッドから飛び上がり
部長から貰った紙切れを持ち
慌ててホテルを飛び出した





．





一度だけ。
俺に言った事を思い出した






「私ね。ハワイに住みたいんだ。時間に追われる事も人の海に揉みくちゃにされる事もない穏やかで一年中暖かいハワイに住みたいの。クリスマスなのにサンタがサーフィンしてるの見たいんだ」




当時の俺はハワイに住む事も想像すら出来なかったし
Aが言ってる事は理解出来ても、その夢に応援出来る程の理解を持ってなかった
だから。
Aがそう言った後、俺たちは喧嘩をした
ハワイに住むなんて有り得ないって。
仕事はどうするの？って。
現実を見ろよって。



それからAはその話をする事もなく
部屋もモノトーンでコーデされていた




だからか
俺はAが言った夢の話を忘れていた


そう思うと
部長が俺をハワイに連れて行きたがる理由も。
あの時。ドライブに行った帰りに言った
俺に言ったら怒るだろうしって言葉も
全部が繋がった気がして



息を切らせながら必死に走っていた

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