FirstPeople -CM-

想い出の地 ページ30

．



とくになにも考えず運転していた
チラチラAを見るとずっと外を眺めていた


辿り着いた地は俺たちにとっては想い出がたくさん詰まった場所





初めて車の免許を取った日
二人でここに訪れた

喧嘩した日でも
どんなに遅い時間だってここに来て仲直りした

緊張したプロポーズも。

二人で綺麗な夜空を見たのも。

初めてのピクニックだって。




たくさんここで笑って
二人だけの想い出を作ったんだ…






．




「ここは何も変わらないね」

CM「うん」

「よくここに来てたよね」

CM「覚えてたんだ」

「当たり前じゃん」

CM「忘れてると思ってた」

「なんか…懐かしいね」







．





風景は一切変わらない
変わったと言えば俺たちの関係
Aは外に出てずっと風景を見ていた





CM「なに考えてんの？」

「なにって」

CM「景色見てるわけじゃないでしょ？」

「さっきから疑問系ばっかり」

CM「部長の所に行かないで」

「え？」

CM「部長の所に行かないで欲しい」

「どうして？」

CM「Aが…好きだから。部長と付き合って欲しくない」

「それって告白？」

CM「まぁ、そんな所」

「なにそれ」





久々に見た俺だけに向けられる笑顔
さっきまで哀しそうな顔してたのに。
俺にもチャンスがあると捉えていいのかな…？

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