FirstPeople -CM-

ドライブ ページ29

．



熱いシャワーを浴びても
大好きなベッドに潜り込んでも
全然睡魔が襲って来る気配もなくて
結局一睡も出来ずに眩しい朝陽を浴びた







携帯を開き懐かしい番号を探す
離婚したのに中々消せずにいた





ー RRRRRRR ー



耳に入るコール音
何十秒鳴らしただろうか
体感的にはもっと長く鳴らしてる感じだった




「…はい」

CM「あ。俺だけど…」

「…チャンミン？」

CM「うん。今…平気？」

「うん。どうしたの？」

CM「会って話したいんだ」

「いいけど。何時？」

CM「昼前でどぉ？」

「わかった」





電話したのはいいとして。
会って話したいって言ったけど
なにを話そうか…








．






「話って？」

CM「あー…うん」

「なに？」

CM「ドライブ行こう」

「どこに？」

CM「決めてない」




助手席に座るAは何年振りに見ただろう
当たり前に座ってニコニコして
週末になるとよくドライブをしてたっけ






「ねぇチャンミン」

CM「ん？」

「どうして電話くれたの？」

CM「意味はない」

「じゃ、話したいって言うのも嘘？」

CM「嘘じゃないけど…」

「まぁいいけど」




流れ行く景色を見るAは
何処か淋しそうであり哀しそうだった
俺の胸の奥がぎゅっと苦しくなったのは
きっと。Aのそんな横顔を見たからだと思う

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