【名探偵コナン】ミッション今年中に結婚せよ！【萩原研二】 (ページ10)

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オペレーション1-10 ページ10

「じゃあAちゃん、あーん」

「もごぉっ」

パアァッと顔を輝かせた研二君が、それはそれは嬉しそうに私の口にスプーンを突っ込んでくる。

結構な勢いで入れられたそれは、梨のムースの部分らしい。

濃厚な味わいにほっぺたが落ちそうだ。

美味しい。

……いや、だから違う！

「研二君」

「なあに？」

「なあに、じゃないよ、それはこっちのセリフ。『あーん』ってなあに？」

「あーん、はあーんだよ？」

……この酔っ払いがぁっ！

もう嫌だ。

何故だ。

私は今日合コンに来たはずなのに、どうして酔っ払いの面倒を見ているのだ。

私もあっちで楽しそうにしてる六人に混ざりたい。

……あれ？なんかちょっと机離されてない？

本来合コンとはかくあるべき、というのを体現しているような六人を羨望の眼差しで見つめていると、いつの間にか私達四人の座る机と彼らの机が少し離れていることに気がついた。

長机だと思っていたら、小さめの机をくっつけていたらしい。

……はーいはーいはーいはーいはーい？待って待って待って？え、何？もう完全に別グループねってこと？

今の私達を客観的に見ると、合コンに来た男女各三人ずつの六人グループと、死ぬほどイチャイチャしているバカップルのダブルデートだろう。

元々合コンに復活することはほぼ諦めていたものの、これはまずい。

何が一番まずいって、このまま研二君に絆されていつの間にか自分から告白してそうな私がいることだろう。

それは困る。

この酔っ払いに告白したらたぶん七割五分くらいの確率でオーケーがもらえてしまう。

しかし、その後別れる確率は同じか、それ以上に高いのだ。

そこで振られて別れたら、私には本当に後がない。

「……私、今年中に結婚できるのかなぁ」

思わず漏れ出た呟きは、誰にも聞かれることなく宙に消えていった。