とある友人Aの独白 II ページ15
それから、五時間と少し。
はて、私は一体何を見せられているのだろうか。
事前に聞いていた男性陣の情報の中で、「優しい、イケメン、誠実」の三拍子揃った小田君イチオシの彼、萩原研二さんが、Aに対して猛烈なアプローチをかけているのだ。
困惑しながらもAに嫌がる様子はないので、とりあえずそのまま放置していたのだけれど。
……このイケメン、何考えてんの?
萩原さんがあまりにAにベタベタし続けているせいで、合コンメンバーの中で萩原さんはA狙いなんだ、という共通の認識ができてしまった。
おかげでAは他の男性三人と喋ることもないまま、隅の席でひたすらはぐはぐ料理を食べている。
「あの、萩原さん」
「ん? なあに?」
Aがトイレに立った隙に、私は萩原さんに声をかける。どういうつもりなのか、一応聞いておこうと思ったのだ。
「A、そろそろ真剣に結婚を考えていて。今回の合コンも、ずっと一緒にいたい人を探すために来てるんです。Aが可愛いからって、生半可な気持ちで付き合おうとしてるなら、やめてあげてくれませんか?」
背筋をスッと逸らして、じっと彼の目を見る。
本当に伝えたいことがある時は、相手の目を見て言わなきゃダメなんだよ、と昔Aに言われた。
それから私は、人と話す時は必ず相手の目を見るようにしている。
そんな私に驚いたようにきょとん、とした萩原さんは、何かを思い出すようにフッと目を弓形に細めた。
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うえむらせ - とても大好きです!更新楽しみにしています! (12月28日 12時) (レス) id: ec28fead31 (このIDを非表示/違反報告)
りな - 続き楽しみにしてます🤍 (2023年3月2日 21時) (レス) id: a8b9c2ae53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:真白 | 作成日時:2023年1月28日 17時