オペレーション1-12 ページ12
「Aちゃん」
「な、なあに?」
「……食べさせてくれないの?」
「ゔっ」
イケメンの心底悲しそうな顔に、ギュッと胸が掴まれるような心地がする。
無理だ。
人の頼みを断れない典型的日本人の私が、この人に嫌だなんて言えるわけがない。
「……どうぞ」
スッとスプーンを差し出す。
その上で艶やかに光るアイスをじっと見つめた研二君は、スッと目を細めた。
「
「ひぅっ」
私を諭すようにゆっくりとそう言った彼があまりに色っぽくて、私は思わず息を呑む。
誰ださっき研二君が幼女とか言った奴。
私だよ。
どこが幼女なんだよ、イケメンすぎてキャパオーバーだよこっちは。
「あ、あーん」
「あーん!」
観念した私が再びスプーンを突き出すと、にこっと嬉しそうに笑った研二君がアイスを口にする。
ペロリと唇の端を舐めた舌が妖艶で、なんだか見てはいけないものを見ているような気分になってきた。
「Aちゃん?」
「……私が悪かったですもう勘弁してください!」
「うわっ、やりすぎた!? ごめん!」
私が涙目でガバッと頭を下げると、研二君はハッとしたように謝ってくる。
どうやらこのイケメン、酔っ払っているフリをしていただけで大して酔っ払っていなかったらしい。
なんだと許せん。
「もういいです。パフェの残りは全部私が食べちゃいます」
ぷんぷん、と全身で怒ってますよムーブをしながら、私はようやくパフェに向き合う。
お待たせ、パフェちゃん。
遅くなっちゃったけど、私が全部美味しく食べてあげるからね。
「…………あ、間接キス」
いただきまーす、と梨のシャーベットを口にした私の耳に、目の前の友人の小さな呟きが入ってきた。
結局パフェは一つのスプーンで綺麗に半分こされた。
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うえむらせ - とても大好きです!更新楽しみにしています! (12月28日 12時) (レス) id: ec28fead31 (このIDを非表示/違反報告)
りな - 続き楽しみにしてます🤍 (2023年3月2日 21時) (レス) id: a8b9c2ae53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:真白 | 作成日時:2023年1月28日 17時