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一皿目 ページ1

ふと、全てを思い出した。


私は前世オタクだったということを。

黒の組織も真っ青なブラック企業で社畜をしていたことを。

日々終電に揺られながら、来世は絶対、収入が安定する公務員になろうと心に誓ったことを。



そして同時に気づいたのだ。

ここがコナンの世界だということに。

看板娘の笑顔が超可愛いこの喫茶店が、ポアロだということに──!




それは、たまたま遅めの昼食を摂りに入った喫茶店で、ハムサンドを持ってきてくれた店員さんの顔を見た時のことだった。

サラサラの黒髪に、キュッと目尻のつった灰色の瞳。

皿を音もなく置きながら「どうぞ」と言った穏やかなグリリバボイス。

思い出した今となってはその正体に心当たりしかない彼から与えられた情報全てが引き金となって、次々に前世の記憶が蘇ってきたのだ。



「ありがとう、ございます……」



突然流れ込んできた記憶の膨大さにガンガン痛む頭を押さえて何とかお礼を言うと、前世の最推し(諸伏景光)は心配そうに眉根を寄せてこちらを覗き込んできた。



「お客様? 大丈夫ですか?」



微かに揺れる灰色の瞳に吸い込まれそうな錯覚に陥りながらも、私はこくりと頷く。

推しの憂い顔は大変美味しいけれど、心配をかけるわけにはいかない。



「大丈夫です。偏頭痛だと思うので」



私がへらりと笑うと、彼は下がった眉尻はそのままに上体を起こした。



「そうですか? ……何か、ご用意しましょうか?」



……推しは天使だった……?



少し考え込んでいた彼は、ぽんと手を合わせてそう聞いてくる。彼には羽が生えているのかもしれない。

優しすぎて浄化されそうだ。

二皿目→



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設定タグ:名探偵コナン , 諸伏景光 , 転生トリップ   
作品ジャンル:ギャグ
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真白(プロフ) - 天然石さん» こちらは元々掲載しておりました完結済み短編を再度掲載したものとなっております。短編のつもりで書いていたので、作者としましてはこの先続けるつもりはあまりございません。楽しみにしてくださったのに申し訳ないです……。 (2023年3月26日 22時) (レス) id: f022b78e83 (このIDを非表示/違反報告)
天然石 - この小説終わったんですか?せっかく楽しみにしてたのに (2023年3月26日 14時) (レス) @page9 id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
真白(プロフ) - 泉さん» ありがとうございます!読みやすくてテンポ感のあるお話を心がけているので、そう言っていただけてとっても嬉しいです! (2023年1月29日 18時) (レス) id: f022b78e83 (このIDを非表示/違反報告)
真白(プロフ) - 千景さん» ありがとうございます!短編用で書き始めたのでここで終わらせましたが、結構気に入っている2人なのでそう言っていただけて嬉しいです。作者、何を隠そう景光推しでして……。これからもちょくちょく書くと思うので、また見かけられた際には読んでくださると幸いです! (2023年1月29日 18時) (レス) id: f022b78e83 (このIDを非表示/違反報告)
- 読みやすい! (2023年1月27日 13時) (レス) @page8 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:真白 | 作成日時:2023年1月24日 23時

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