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109話:新しい部屋の所在 ページ13

「長次ではなく私を信用したから、行っても良いと思ったのか?」

「だからそうだって言ってるじゃないですか。私だって仙蔵さんじゃない人にそんな都合の良すぎる提案をされたら怪しいと思いますって」



きょとんとしてこちらを見る仙蔵さんに、私は叩かれた頭をさすりながら答える。



「中在家さんが悪い方ではないことはなんとなくでわかりますが、それとこれとは話が別です」



どこか寂しげな目をした中在家さんには気がつかなかったフリをして、じっと仙蔵さんを見返す。



「そうか」



私の言葉を噛み締めるように目を伏せていた仙蔵さんが、ふわりと百合の花が綻ぶように笑った。

あまりにその顔が嬉しそうで、つられて私も微笑む。



「では、私は風呂へ向かう。図書室ではあまり長居しすぎないように。疲れているはずだから、早めに寝なさい」



仙蔵さんの大きな掌が、私の頭にそっと乗せられた。

優しく撫でてくれるその手つきが気持ち良くて、私は目を細める。



「……って、え? 図書室、行っていいんですか?」

「長次が連れて行ってくれると言ったはずだが?」

「いえあの、てっきり私を試すための嘘かと……」



あはは、と笑って誤魔化しつつも、じわじわと図書室に行ける喜びが湧き上がってきて、口角が上がっていくのがわかる。



……図書室に、行けるんだ。



「中在家さん、仙蔵さん。ありがとうございます」

「もそ」

「気にするな」



ではな、と私の頭から手を離した仙蔵さんが、私の部屋の隣の障子に手をかける。

一瞬名残惜しさにその背中を目で追いかけて、私はピタリと動きを止めた。

新しい私の部屋の隣の部屋、そこの入り口の横にかけられている二つの木札に、非常に見覚えがある。

昨日の夜、それも深夜二時頃に見た気がするのだ。

110話:読心術→←108話:私を図書室へ連れて行って



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真白(プロフ) - わそ姉大好きリスナーさん» ありがとうございます!ホントですか?それは光栄です。天女様系には素敵な作品も多くあるので、私の作品をきっかけに他の方のもいけるようになってくださったら嬉しいです(*´∀`*) (2023年1月29日 18時) (レス) id: f022b78e83 (このIDを非表示/違反報告)
わそ姉大好きリスナー - 面白かったです!自分は天女様系が苦手でしたけど、真白様のこの天女様系はなんかいけました!((^^ω)更新ファイト!!!!です(^^ω) (2023年1月25日 10時) (レス) @page23 id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
真白(プロフ) - 千颯さん» わあああ!ありがたいお言葉ありがとうございます!!!私の更新が千颯さんの生き甲斐になっていたですって……?これからも気合いを入れて更新していきますので、楽しみに待っていてくださいませ! (2022年12月18日 18時) (レス) id: f022b78e83 (このIDを非表示/違反報告)
千颯 - 毎週投稿を楽しみに生きてます( これからも作者さんのペースで頑張ってください!応援してます! (2022年12月11日 11時) (レス) @page18 id: ecd2d0aa76 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - れいらさん» この更新スピードは、れいらさんを始めとする読者の皆さんのおかげなんですよ!ご期待にお応えできるよう、これからも頑張りますね♪ (2022年10月22日 20時) (レス) id: f022b78e83 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:真白 | 作成日時:2022年10月22日 13時

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