88話:複雑そうな ページ42
「失礼します。事務のAです。委員長への書類をお持ちしました」
作法室の障子に向かって、私は声をかける。
返事があったのを確認して、私は静かに障子を開いた。
……あれ？
中の作法委員達を見て、私は静かに首を傾げる。
他の委員会に比べて、ずいぶんと和やかな雰囲気で活動をしているようだ。
「Aさん、ありがとうございます」
一番奥で作業をしていた仙蔵さんが立ち上がってこちらへやってきて、そのまま廊下へ出た。
下級生と私が近づくことを避けたいと言わんばかりの対応に、私は目をまたたく。
仙蔵さんが障子を閉める瞬間、中にいる萌葱色の忍び装束の男の子が驚いたように目を見開くのが見えた。
「あ、えっと、立花さん。こちらが書類になります。二枚目に必要事項を書いた上で、来週末までにご提出ください」
「ありがとう。……一人か？」
「いえ、不破さんが向こうの角に。天女が上級生と行動を共にしていると、下級生に知られるのは良くないかと思いまして」
私が視線を向けると、不破さんがぺこりと頭を下げた。
仙蔵さんが手招きしたことで、パタパタと駆け寄ってくる。
「不破が案内しているのか。──部屋の移動の話は覚えているな？」
「はい。仙蔵さんが、新しい部屋に案内してくださることになっている、と吉野先生にお聞きしました」
「あぁ。そこでだ。どうせ部屋に案内するのだから、委員会巡りも不破ではなく私が同行しようと思うのだが、どうだ？」
確かに、その方がいいのかもしれない。
これ以上不破さんを煩わせなくてすむし、噂の鉢屋さんからあれこれ言われる可能性も減るだろう。
……でも。
ふと、さっきの三年生の顔が思い浮かんだ。
ここで私が仙蔵さんを連れて行ってしまったら、彼はどんな顔をするだろうか。
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わそ姉大好きリスナー - Ahoy 学校行きたくねェェェェェェ 続編に出航〜♪ (2023年1月25日 9時) (
レス) id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 小桜さん» コメントありがとうございます！忍たまって鬼滅並みに難読苗字多いですよね笑。尼子先生の出身地の尼崎の地名から取っているそうなのですけれど、私も最初は漢字と読みがなかなか一致しなくて困りました。食満は初見じゃ絶対に読めないと断言できますよね！ (2022年8月12日 19時) (レス) id: 23eb6548af (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - マジで夢主ちゃんに同感です。食満って名字、最初は「しょくまん」って読んでしまいますよね。私もアニメで聞くまでしょくまんだと思ってました！ (2022年8月12日 19時) (レス) @page19 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真白 | 作成日時：2022年4月28日 21時
