閑話 僕の信じるもの ページ16
僕は小松田秀作。
ポンコツで、ドジばっかりで何もできない、だめで不必要な事務員だ。
少なくとも、僕はそう思っている。
だって今までの天女様は皆そう言った。
そんな風に僕を“評価”した。
この学園では天女様が絶対。
だから僕は、“だめ”なんだ。
そう、思ってきたのに。
新しい天女様は少し変な人だった。
初対面の時、自分は天女じゃない、怖がらなくていいと言った。
僕の目を見て。
僕の名前を呼んで。
そんなのおかしい。
だって天女様は、僕を蔑むものなんだから。
今朝だってそうだ。
僕は事務室にやってきた天女様に向かって書類を浴びせかけてしまった。
絶対怒鳴られて、張り倒されると思ったのに、天女様はただ少し微笑むだけで、お片付けを始めた。
嬉々として書類仕事をして、時々紙を見て頬擦りしそうな笑顔を浮かべて、僕がぶち撒けたお茶の片付けを一緒にしてくれて、井戸から水を自分で汲みたがって、実はちょっと方向音痴で、重い桶も自分で持とうとする天女様。
変だ。
変なんだ。
僕に大丈夫だなんて言う天女様は。
彼女のことを信じたいと思い始めている僕も。
自分のことが怖いかどうか、泣きそうな顔で聞いてくるAさんも。
「僕、は、Aさんが来てから失敗ばっかりしてて。でも、Aさんは、Aちゃんは僕のことちっとも責めなくて。僕はだめなのにっ。なのに、殴ったり怒ったりしないで、大丈夫だよって、言ってくれる」
本当は僕がだめなわけじゃないのかな。
失敗ばかりしているのはダメなのかもしれないけど、でも。
「……いいの、かなぁ。僕、ここで頑張ってても、いいのかなぁ」
何かに縋りたくて、彼女の優しさに救われたくて、僕は必死に言葉を紡ぐ。
「いいよ」
ふわり、と花の香りがして、温かいぬくもりが僕の体を包んだ。
抱きしめられたのだ、と少し遅れて気づく。
「いいよ、なんて私が言える立場じゃないのはわかってるんだけど。天女様のせいで小松田さんがそんなふうに思ってるのなら、この学園にとって天女様にあたる私がそれを否定する」
僕を落ち着かせるようにゆっくりと言うAさんの声が、僕の中に溜まっていた気持ちを溢れさせる。
僕じゃだめなんだって、ずっと心のどこかで思ってた。
けど……いいんだ、僕でも。
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わそ姉大好きリスナー - Ahoy 学校行きたくねェェェェェェ 続編に出航〜♪ (2023年1月25日 9時) (
レス) id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 小桜さん» コメントありがとうございます！忍たまって鬼滅並みに難読苗字多いですよね笑。尼子先生の出身地の尼崎の地名から取っているそうなのですけれど、私も最初は漢字と読みがなかなか一致しなくて困りました。食満は初見じゃ絶対に読めないと断言できますよね！ (2022年8月12日 19時) (レス) id: 23eb6548af (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - マジで夢主ちゃんに同感です。食満って名字、最初は「しょくまん」って読んでしまいますよね。私もアニメで聞くまでしょくまんだと思ってました！ (2022年8月12日 19時) (レス) @page19 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真白 | 作成日時：2022年4月28日 21時
